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(本編完結、番外編を更新しています)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?  作者: 水無月 あん
番外編

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挿話 王太子の受難 10

王太子視点の話が続きます。

「部屋に閉じ込めて、どれだけ待たせるんだ! さっさと、捕縛すればいいものを、何をたらたらしゃべってる!」

王妃がどなった。


「母上と違って、脳筋ではないもので。ただ、捕まえるなんて、つまらないでしょう?」

と、ぼくが言うと、王妃の額にぴきりと青筋がたった。


「だれが、脳筋だー!」


後ろから、息をきらして、やっと入って来たのは王だ。

「まあまあ、ミラベル。落ち着いて…。ちゃんと、経緯は聞けたじゃないか」


そう、王妃と王には、別の部屋に待機してもらっていて、この部屋の映像と音声はずっと流していた。

それで、すべて終わった時に、二人に登場してもらう予定だったのに…。


母上は、ほんと待てないよね? これだから脳筋は…。


ぼくは、女の方を向いて、

「もっとじっくり話がしたかったけど、時間切れみたい。君の身柄は、ロンダ国に引き渡されるよ。二度と、この国に来ないでね? 

ほんとに、ルイスに近づかなかったら、ぼくの興味もひかなかったのに。残念だったね?」


ぼくの言葉を聞いたとたん、女が、ワインの入ったグラスを手にとり、ぼくに向かって投げつけようと、腕を高くふりあげた。

すぐに、ウルスがぼくをかばうように、間に入り、それと同時に、騎士も女を羽交い絞めにして、グラスをとりあげた。


「もうー、なんてことするの! 危ないでしょ? 罪が増えるよ?」

ぼくが、親切に忠告すると、女はうなりながら、血走った目で、にらみ返してきた。


うん、なかなか、根性があるね。


その点、ブルーノ伯爵夫妻といえば、ガタガタふるえている。


突然、ブルーノ伯爵夫人のほうが、王妃に駆け寄ろうとした。

が、すぐに騎士にとめられた。


「王妃様! 親戚の私たちをお助けください! 私たちは、騙されてただけなんです!」

と、ブルーノ伯爵夫人が、騎士に取り押さえられたまま叫ぶ。


王妃は、首をかしげて、

「あれは、親戚なのか?」

と、王に聞いた。


「王妃の従妹の主人の連れ子が、あのブルーノ伯爵夫人だそうだ」

と、王が説明する。


「はあ?! なんだ、それ。王は、よくそんなつまらんことを覚えてられるな? 

まあ、いい」

そう言うと、ブルーノ伯爵夫人に近づいた。


「そなたが、親戚だとは知らなかったよ」

そう言って、美しく微笑んだ。


ブルーノ伯爵夫人の顔が、ぱっと明るくなる。

「そうなんです! 親戚なんです! お助けください、王妃様!」

と、連呼している。


「はああー、何言ってんの? この人。

仮にも、王妃の親戚を騙るなら、せめて、王妃の性格ぐらい把握しといてよ。

根っからの騎士で、脳筋にそんなことが通用するわけないだろ?」

と、隣にいるウルスに向かって、小声でささやく。


「おい、こら、フィリップ。全部、聞こえてるぞ。私は脳筋ではない!」


しかも、辺境の森で鍛えられた、おそろしいほどの地獄耳だ。


王妃は、期待に目をぎらぎらさせている伯爵夫人に向かって、

「身内なら、特別待遇にしないとな」

と、微笑むと、


「騎士団長!」

と、呼んだ。


「はっ!」

という声とともに、すぐに、騎士団長がそばによる。


「ブルーノ伯爵夫妻を、違法薬物の密輸、販売で、厳しく取り調べて罰せよ!

親戚だそうなので、なおさら遠慮はいらん! 連れて行け!」

と、命をくだす。


騎士団長は王妃に軽く頭をさげ、すぐに、騎士たちに指示をだす。

あっという間に、ブルーノ伯爵夫妻は、縄をかけられて連行されていった。


「それで、こっちの令嬢のお迎えは?」

ぼくが聞くと、見慣れない制服の人たちが入って来た。


「ロンダ国の騎士の方たちだ」

そう王妃が言うと、一番前にいた大男が、ぼくの前に進みでた。


「ロンダ国の第二騎士団長のブリートと申します。

この度、王太子殿下には、多大なご協力をくださり、まことにありがとうございます。

後日、ロンダ国、国王より、改めてお礼を申し上げる所存でございます」

そう言うと、深々と頭をさげた。

本日一回目の投稿です。週末はできるだけ更新したいと思っております。

読みづらい点も多いと思いますが、読んでくださっている方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただいています。ありがとうございます!

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