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(本編完結、番外編を更新しています)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?  作者: 水無月 あん
番外編

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俺は出会った 10

ルイス視点です。

アリスと出会って、5年がたった。

俺たちは5歳差があるので、来月、アリスは12歳になる。つまり、俺がアリスに出会った年齢だ。


そんな記念すべき誕生日が、なんと、来月のお茶会に重なった!

お茶会は、毎月第二土曜日と決めてある。


その日に、このタイミングで重なるなんて、なんという奇跡。やっぱり運命だ。


ということで、来月のお茶会は、いつも以上に悩んでいる。

そう、プレゼントを何にするかだ。


今までの誕生日は、お茶会と重なったことはなかったっため、プレゼントは、いつも、アリスの屋敷に届けていた。


そして、肝心のプレゼントだが、考えぬいたすえ、アリスの重荷にならないよう、毎年、花と菓子を贈っていた。

もちろん、ここ数年は、俺の手作りの菓子だ。


が、今年は特別なものを贈りたい。

参考になればと、とりあえず、他人の意見を聞いてみることにした。


まずは、アリスの兄、マークに聞いた。

「来月、アリスの誕生日だろ? プレゼントは用意したか?」


「ああ。決めたぞ」


「何を贈るんだ?」


「石だ」

胸をはるマーク。


聞く相手をまちがえたな…。


そう思った瞬間、俺の顔を見て、

「あ、今、石を馬鹿にしたな?」

と、俺の気持ちを言い当てた。


「今年の石は…っていうことは、まさか、毎年、アリスの誕生日に石を贈ってるのか?!」


「もちろんだ! 今年で、アリスにあげるのは、12個目の石になるな」


「…あ、そうか。石と言っても宝石なんだな?」


「いや、違う。宝石だったら普通すぎるだろ。俺はそんな見た目のきれいさじゃなく、内面を見込んで、これぞ!と思った石をあげている」


…全く意味がわからない。


「つまり、見た目もきれいじゃない、ただの石を、アリスの誕生日にあげているということか?」

俺がそうまとめると、マークは、はあああと大きなため息をついた。


「石の魅力がわかってないな。内面からにじみでてくるものを見るんだ。外側にまどわされたらダメだ。

仕方ない。おまえには、特別に教えてやる。今年のアリスの誕生日に贈る石はな、河原で見つけてきたんだぞ」


「…は?」


「河原で、俺にひろってくれ、とアピールしてきた石だ。すごいだろ! 

そんな意志の強さもありながら、優しそうな雰囲気もあるし、アリスにぴったりの石だと思って、それにした。真似するなよ!」


「するか!」


全く参考にならない。マークに聞いたのは、やはり、間違いだった。


次は、兄上に聞いてみるため、兄上の執務室に行った。

隣にウルスがいる。


「兄上、聞きたいことがあるんだけど」


兄上の顔が、ぱあっと輝いた。

「兄様になんでも言ってごらん!」

と、嬉しそうに、にこにこしている。


その時点で、かなり後悔したが、アリスのためだ。

最高のプレゼントを贈るため、意見を聞いてみよう。


「来月、アリスの誕生日なんだけど、プレゼントは何がいいか悩んでて」


兄上は、嬉しそうに笑って、

「だったら、絶対、ぬいぐるみがいいよ!」


その瞬間、ウルスが書類をバサリと落とした。よほど、疲れてるんだな。


「ぬいぐるみ? 確かに、女の子が喜びそうだが…」

と、俺は言ったが、兄上は聞いていない。


そして、目を輝かせて、話し始めた。

「まだ、ルイスが小さい時、ルイスの誕生日に、ぬいぐるみをあげたんだ。あれは、ライオンのぬいぐるみだった」


ウルスが、

「…またか。やめろ。やめてくれ」

と、つぶやいている。


「ぼくが差し出した、ライオンのぬいぐるみを、ルイスが小さな腕でぎゅーっとだきしめて、きらきらした瞳でぼくを見上げて…」


「あ、もういいから」

俺はさえぎった。


「えええー! ここからがいいところなのに!」

と、兄上が不満げに声をはりあげる。


その隣で、

「ナイス、ルイス」

と、ウルスがだじゃれのようなことをつぶやきながら、両手をあわせて、俺を拝んでいる。


兄上も参考にならないことは、よくわかった。


とりあえず、ウルスにも聞いておこうか。

「ウルスは、アリスにあげるなら、誕生日プレゼントは何がいいと思う?」


ウルスは、うーんと考えて、

「わからん。…が、今、一番、俺の欲しいのは睡眠だ」

心の底からしぼりだすように答えた。


ここは、無駄足だった…。


そして、俺のリサーチも早々に終わった。

交流している人間が、ほぼいないので、悲しいことに聞く人が他にいない…。

やはり、自分で考えるしかない。


今日、二回目の更新になります。読みづらい点も多いと思いますが、よんでくださっている方、ありがとうございます! ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただいています。

ありがとうございます!

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