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報告

本日、3回目の投稿になります。

ということで、私たち兄妹の前に、優雅に座っておられるルイス殿下。


いつもとかわらず、美しいお顔は無表情。

だけど、心なしか、うっすらと、わずかに微笑んでいるように見えなくもない。


「ルイス、今日は、どうしたんだ? なんかご機嫌のようだが」


ええ?! ご機嫌って?! 


この心なしか、うっすらと、わずかに微笑んでるように、見えなくもない程度の状態が、ご機嫌?!


どんだけ、表情筋が動かないのかしら?!


が、さすが、幼馴染で親友のマーク兄様。

このわずかな表情を見分けられるなんて、すごいわ!!


「報告があってきた」

と、ルイス殿下が言った。


あ、親友のマーク兄様にも口数は少ないんだね。


「今日から、こちらと同じ公爵となった。よろしく」


「「…」」


一瞬、部屋が静寂につつまれた。


が、その直後、

「はああ?! いきなりすぎて、意味がわからん。なにがどうなって、そうなるんだ?! ルイス、おまえ王子だろ?!」

マーク兄様が、椅子から立ちあがって叫んだ。


ルイス殿下は、通常通り、無表情のままだ。


そして、

「本日、王命によって、第二王子を返上し、ロバートソン公爵家の養子となり、そして、本日づけで、そのままロバートソン公爵を引き継いだ。ゆえに、ルイス・ロバートソン公爵となった」

と、非常に淡々と、無表情のまま説明した。


「王子を返上して、公爵?! ルイスは、それでいいのかっ?!」

マーク兄様が絶叫している。


無表情のルイス殿下との温度差が激しい…。


「ああ。俺が望んだことだ」

冷静に答えるルイス殿下。


「ローラ嬢のことでか?」

と、マーク兄様が聞いた。


「ローラ嬢?」

と、ルイス殿下が問い返す。


あれ? マーク兄様、あの女性の名前、間違えてるんじゃない?


私はだまっていられず、つい口をはさんだ。

「婚約解消を私に告げた時、一緒におられた、ピンク色の髪をした女性のことです」


ルイス殿下は、無表情のまま、言い放った。

「…ああ。あの女、ローラ嬢っていうのか」


「はああ?!」

思わず、私も貴族令嬢とは思えない声量で叫んでしまった。


が、仕方ないよね。

だって、おかしいでしょ。なんなの、この人?!


「好きな女性なのに、名前も知らないんですか?!」

と、他人事ながら、イライラしながら聞いてしまう。


「好きではないからな」

と、即答。


「…」


思いもかけない答えが返ってきて、私の思考はとまってしまった。

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