表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(本編完結、番外編を更新しています)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?  作者: 水無月 あん
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/121

私の悩み 5

よろしくお願いします!

フィリップは、テーブルのそばで控えているモーラの方を見た。


「じゃあ、モーラ、ここへ持って来て!」

と、フィリップが軽快な声で指示をとばす。


「はい、王太子様!」

歯切れよく返事をするモーラ。


一体、何を持ってくるんだ?


というか、このふたり、息ぴったりだな…。


モーラは、部下のメイドと一緒に、結構大きめの額のようなものを、大事そうに抱えて来た。


「じゃあ、モーラ。ここに置いて」

フィリップは、そう言って、自分の隣の椅子を手で差し示した。


「承知しました、王太子様!」


モーラとメイドは、背もたれの高い椅子に、額を注意深くたてかけた。

縦に長い額なので、なんだか、額がすわっているようだ。


で、なんだ、あれは…?

なぜ、見合いの席にあんなものを、たてかける…?


布がかかっているため見えないが、嫌な予感しかない…。


「じゃあ、君たちに、一番きれいな色はどんな色か、ぼくが、正解を教えてあげる。モーラ、オープン!」

フィリップが勢いよく片手を振り上げた。


肩についていた金の飾りがじゃらじゃらっと揺れて、反射した太陽の光が、あたりにとびちった。


まぶしい…! そして、うさんくさいぞ、フィリップ! 

派手な衣装が、いかさまをする奇術師みたいだ…。


モーラは、厳かに、額にかかっていた布をゆっくりと、とりはずした。


そして、あらわれたのは、ルイスの肖像画…。 


「なんで、あんなものを椅子にすわらせてるんだ…!」

思わず、さけんだ私。


「普通に怖いですね…」

と、ダンが静かにつぶやいた。


確かに、我が息子ながら、行動が怖すぎる。


ほら、見ろ。

癖の強い令嬢たちですら、驚きすぎて言葉がでないじゃないか…。


が、モーラだけは、あたたかくも優しい目で、フィリップを見つめている。


モーラ…、今のフィリップに、そんな目でみつめる要素はどこにもないぞ?

正気に戻れ、モーラよ!


心の中で、必死にモーラによびかけていると、「あのっ!」と、木の実のようなゴルラン公爵家の令嬢が声をあげた。


「なに?」

と、黒い笑みを浮かべるフィリップ。


「あの…、これって、…ルイス殿下…ですわよね?」

そう言って、木の実のようなゴルラン公爵家の令嬢が、絵を指差した。


瞬間、フィリップが真顔になった。冷たい声が響く。


「君、なに、指さしてるの? ルイスの絵を指さすなんて、その指、切り落とすよ?」


「ひいっ!!」

悲鳴をあげて、手ごとテーブルの下にしまいこむ木の実のようなゴルラン公爵家の令嬢。


おい、フィリップ…! 


指を切り落とすなど、王太子が言うことか?! 

そもそも、そんなところに絵を持ってくるほうがおかしいだろう?!


そして、令嬢たち、見合いどころじゃない。早く、逃げたほうがいい。


ルイス本人でなくても、ルイスに関わる物がでてきた時点で危ない。

ルイスが関わるだけで、フィリップの沸点は、とてつもなく下がるからな。


何がフィリップの逆鱗にふれ、令嬢たちにどんな影響が及ぶかわからん。


が、そんな願いもむなしく、今度は、宝石だらけのアイスバーク侯爵家の令嬢が口を開いた。


「なんて、すばらしい絵なのかしら! やはり、ルイス殿下はお美しいですわ!」

と、絵をあからさまに褒め、勝ち誇ったような顔で、ちらっと、木の実のようなゴルラン公爵家の令嬢を見た。


不況を買った令嬢を見て、ルイスをほめたらいいと思ったようだが、うかつにルイスのことを語らないほうがいい!


たとえ、それが、普通のほめ言葉であってもだ。


口先だけのほめ言葉は、もちろんダメだし、逆に、気持ちが入りすぎて、ルイスへの邪なものを感じたら、命が危ない。

他にも、見当違いのほめかたも、ほめ足りなかったりしても、フィリップは気に入らないだろう。


つまり、触らぬ神に祟りなし。

ルイスに言及しなければ、被害は最小限だ。

読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねもありがとうございます!

大変、励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ