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怪談師への道のり

作者: まさみ

ツッコミ「あ~バズりて~。YouTubeって今何がウケてんの?」


ボケ「俺がよく見んのは心霊系チャンネルだな。ユーチューバーが心霊スポットで肝試ししたり、怪談師が怖い話話すんだ」


ツッコミ「へ~怖い話話すだけでウケるなんて手軽だな。俺もそっち目指すわ」


ボケ「は?お前怪談師なめてんの?」


ツッコミ「いきなりガチギレモード?」


ボケ「この世界ンな甘くねえんだよ。俺がチェックしてやっから試しに怖い話してみろ」


ツッコミ「わ、わかった。ごほん。今から話すのは俺の元カノのA子が小学生の頃体験した話……」


ボケ「異議あり!」


ツッコミ「ンだよ、初っ端から話の腰折んな」


ボケ「そのA子さんて本当に存在するんですか?あなたの頭の中の非実在彼女じゃないんですか?」


ツッコミ「怖ェわ!?」


ボケ「ちょっと気になるあの子を勝手に元カノ設定してません?」


ツッコミ「じゃあ俺が片想い中のA子から聞いた話でいいよ!で、そのA子がね、ある日学校から帰ってきたらいやに家ががらんとしてるんです。おかんの姿も見当たらない」


ボケ「その頃おかんは近所のスーパーでファブリーズを買い占めていた」


ツッコミ「勝手にアテレコすな!?てかおかん迷惑客か!……あー、とにかく。A子は帰り道で転んで泥だらけだったんで風呂に入ったんだが、背後に妙な視線を感じたんだ。振り向くとそこには!」


ボケ「好きな子の風呂を覗くなんて最低だぞ!」


ツッコミ「なんで俺怒られてんの!?ちげーからこれヒトコワじゃねーからオカルトだから!」


ボケ「いや、お前ならやりかねないと思って。すまん、先続けてくれ」


ツッコミ「モヤッとするなー。A子は振り向いた。背後には黒い人影が立っていた」


ボケ「シャンプーハットをはめた?」


ツッコミ「はめてねえよ!なんで幽霊がシャンプーハットはめてんだ、一気に絵面がおもろくなるだろ!」


ボケ「『おばけさんのエッチ!』って熱湯シャワーかけられる展開じゃねえの?」


ツッコミ「幽霊に熱湯かけても無効だろ!?は~……人影はA子を見るなり二ヤッと笑ってこういったんだそうだ」


ボケ「『君の家、お隣ですよ』」


ツッコミ「衝撃の展開かよ!?A子お隣さんちで風呂借りてたの、せめて玄関で気付けよ!」


ボケ「えっ、小学生の頃家間違えたりしねえ?俺自分ちと間違えて一か月エレベーターで暮らしてた事あるよ」


ツッコミ「狭すぎだわ!団地ならまだわかるけどさ、ドアみんな似てっし!」


ボケ「監視カメラも付いてて防犯設備万全だぜ。お客さんもよく来た」


ツッコミ「客じゃねーよ利用者だよ!」


ボケ「んでA子はどうなったんだ?」


ツッコミ「もともと霊感があったから勇敢にも立ち向かった。九字護身法を切ったんだ。知ってるだろ、セーラームーンのマーキュリーの必殺技。臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」


ボケ「迷子のゴーストを天に送り返す巫女さん系魔法少女、シャーマニック・クイーン爆誕」


ツッコミ「誰!?ジャンル反復横跳び!?」


ボケ「セーラームーンも魔法少女の亜種じゃん」


ツッコミ「フツーの霊感少女は九字護身法切っても変身しねェんだよ!」


ボケ「魔法少女だって自分にしか見えない変なマスコット飼ってるじゃん。錬成失敗したキメラの動物霊じゃん」


ツッコミ「ケロちゃんは『コロ……シテ……』とかいわねーから一緒にしないで!」


ボケ「キメ台詞は『巫っ女巫女にしてあげる』、必殺技は八尺パンチ」


ツッコミ「古ッ!?八尺パンチって何、八尺様打ち出すの!?」


ボケ「さらには寺生まれのТさんを召喚できる」


ツッコミ「最強じゃん!?えっ主従契約結んでんの、英霊的な何か?」


ボケ「ただしレアリティが☆5なんで滅多にでない」


ツッコミ「ぶっ壊れ性能じゃん!?」


ボケ「悪霊との戦いには勝てたのか?」


ツッコミ「除霊には成功した。しかし恐怖はまだ終わらねえ。悪霊との死闘を終えたA子が部屋へ行くと、テレビに古井戸が映し出されて、長い黒髪の女が出てきて言ったんだ」


ボケ「『お風呂の栓、抜き忘れてるわよ……』」


ツッコミ「親切か!!おかんか!!」


ボケ「長いこと井戸住んでっから水位に譲れねーこだわりがあんだよ」


ツッコミ「理屈がわからん!てかテレビ越しで済ましゃいいじゃん、わざわざ対面で言うことじゃねーだろ!?」


ボケ「リモートトークはインパクト弱いじゃん、音量の調整難しいし。怨霊だけに」


ツッコミ「ドヤんな!」


ボケ「お前の話全ッ然怖くねーな。怪談師向いてねェよ」


ツッコミ「は~……やっぱり?自分でも痛感したわ」


ボケ「でもさ。お前が怪談師になるならまた会えるかもな」


ツッコミ「それってどーゆー……消えちまった」


ボケ「俺が死んだの、まだ受け入れられねーんだな」

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