第六話 俺達
まだ完全に絶望はしていない。
まだ間に合うはずだから、
エイタなら滅ぼした世界を元の形に戻すことだって容易なはずだ。
探して、説得して戻してもらうしかない。
最悪無理矢理にでもだ
まずはエイタを探さないとな
それには1人では不可能だ
仲間がいる。
1人より2人、2人より大勢だ。
でもこの世界にもう俺以外の人間がいるとは思えない、
いたとしても数えられるくらいだろう
そんなの時間をかけて探してなんかいられない
そう、だから
3、 2、 1、 0
瞬間俺の身体のいたるところから俺が飛び出す
ざっと200人
今生まれたばかりの俺たちは俺をじっと見つめている。
たしか俺の記憶を受け継いで生まれてくるらしいから
話は通じるはずだ
俺「皆聞いてくれ、協力して欲しい、今から皆でエイタを止めに行きたいんだ。」
俺はまだレベル1だから強制的に俺を操ることはできない。
でも俺には分かるんだ、だってエイタも含めて俺たちは皆仲間なんだから。
俺「しゃーねーな、協力してやるよ、俺たち兄弟みたいなもんだしな」
俺「ふん、誤った方向に進んでしまった者を正しい方向に導くことは俺ならば当たり前のことだ。」
俺「ぼ、僕もお役に立ちたいです、」
俺「オイラも頑張って説得するっス。」
俺も、僕も、といろいろなところから声が挙がり瞬く間に全員了承してくれた。
皆の心が1つになった気がした。
俺「で、具体的にはなにすればいいんだよ?」
俺「まずはエイタを探すことから始めようと思う。
そしてその後は皆で説得する、それでも聞いてくれなかったら......
俺「力づく、ですね。」
俺「....そうだ。」
俺「だからまずは手分けして探す、毎日昼にはここに戻ってきて情報交換、居場所を突き止めたら皆に報告、これでいいか?」
俺「でもそれならさ、遠くまで探せなくないか?」
確かにその通りだ。どうしよう
俺「ぼ、僕のスキルならその問題解決できるかもし、しれないよ。」
俺「本当か!」
俺はすぐさまその俺のスキルを見る。
自分の分身のステータスは見れるようになっている。
そのスキルはSランクスキル直接精神伝達(Telepathy)だった。
確かにこのスキルなら解決できる、どれだけ遠いところにいても情報を伝達できるから、いちいち集まる必要が無くなる。
俺「移動には俺のスキルを使ってよ。」
後ろから声がした、振り向いてその俺のスキルを見る。
SSランクスキル古龍召喚者(DragonsSummoner)と書かれている。
なるほどこのスキルなら大幅に一日の移動距離をあげることができる。
その俺が地面に魔法陣を描くとそこから50匹ほどの巨大なドラゴンが飛び出してきた。
1匹だけでもこの街を吹き飛ばせそうだ。
一番大きなドラゴンに乗せてもらうことになった。
ドラゴンが律儀に挨拶してくれる
ドラゴン「我が名はインフィニティ・ドラゴン、ドラゴン族の王である。このたび其方を乗せることとなった、宜しく頼む。」
俺「俺はブライトって言うんだ、よろしくな。」
そしてドラゴンに跨って俺は言う
俺「皆!分かってくれてると思うけどもし力づくになってしまったとしても、絶対に命は奪わない、それを覚えておいてくれ、Dead or Aliveじゃない Alive onlyだ。」
その言葉を皮切りに200人の俺はいっせいに飛び立った。
大きな影が空を埋め尽くす
この戦いが終わったら皆に名前をつけてやろうと決めて、俺も飛び立った。