第四話 友情
俺「神ってなんだ?」
俺2「ああ、申し訳ございません、しかし知らないままでけっこうでございます。」
「あんなヤツのことなんて考えるだけで主様の価値が損なわれてしまいますので」
そこまで悪いヤツだったのか、それなら俺もその神とやらを嫌いだったんだろう。
でもまあそれなら俺に言ってやらないとな
俺「そんなやなヤツのことを考えるだけで俺の価値は損なわれたりしねぇよ」
「それはそれは申し訳ございませんでした。失言でございました。」
そう言う俺は少し笑った気がした。
俺「じゃそいつを消したってことでいいんだな?そのルールブックから。」
俺2「ええ、そういうことになります。」
「疑っていらっしゃるのでしたらそこに見える街に訪れましょうか?さっきまで必死に祈っていた神の偶像を見て首をかしげているおかしな住民どもを観察することができますよ。」
俺「いや、やめておくよ。」
祈るとか偶像とか意味分からんしな
うーん、でもまあ一応街は見ておいたほうがいいか。
俺「気が変わった、行ってみるか街のほう。えーと....」
こいつのことなんて呼ぼうか、俺って呼ぶのもなぁ
俺2とかは....最悪だな、どこにそんな記号みたいな名前つける親がいるんだ。え、今までつけてたじゃないかって?
いい名前を思いついたエイタだ、エイタにしよう。
クリエーターでエイタだ。
我ながらいい名前だ。すごく日本人ぽいけど
「.....エイタ」
エイタ「エイタ?」
俺「そう今からおまえの名前はエイタだ。」
エイタ「ありがとうございます、少し日本人っぽいですがいい名前ですね、気に入りました。」
「それではお供致します」
よしついに異世界での生活の幕開けだ。
ここが街か?思ったより賑わってるな、街の住民たちは皆幸せそうな顔をしている。
美味しそうな匂いのする屋台に見たことない食べ物から全身に穴の空いた服を飾っている奇抜なブティック屋に...あった、異世界転生で十八番の装備屋だ。
ちょっと立ち寄りたいけどお金ないな。
エイタが持ってるわけはないし、2人で稼ぐか
元の世界に帰る方法を探すのは腹を満たしてからだな。
ん?ちょうどいいじゃんこれ
俺「エイターこっち来てくれー」
すぐ来た。もっとゆっくりでいいのに。
エイタ「お呼びでしょうか、実は私も主様にお話しが...
エイタが何かいいたそうだったけど俺は話し始めた
「これ見てくれよこの張り紙」
ひときわ大きな張り紙だった。
そこにはアメリカバイソンがゾウの大きさくらいになったようなこの世界ではモンスターと呼ばれているであろうものが描かれていた。
そしてその下にDead or Aliveと書かれていて横に20万Gと書かれている。
この世界ではGがどのくらいの価値を持つのかは分からないけど多分大金だろう、万ってついてるし。
周りの人達がざわざわし始めた。
そいつを倒そうなんて命がいくつあっても足りないぞ、みたいな声が遠くから聞こえた。
心配してくれてるみたいだ。
でも俺なら倒せる、俺たちなら。
俺「この一番大きい、額に傷のあるヤツがボスか。」
エイタ「どうやらそのようですね。」
俺「倒すぞ。」
エイタ「はい」
俺「力を貸してくれ」
エイタ「かしこまりました」
そしてまあ5時間後つまり今はエイタと2人で豪遊中だ。
モンスター退治はエイタが俺にも見えないバリアで捕らえてすぐに終わった。
報酬を受け取るとき、依頼者夫婦がありがとうございました、ありがとうございましたと繰り返していた。
聞けばそのモンスターの群れに襲われた娘さんが帰らぬ人となったらしい。
俺は娘さんのお墓に手を合わせて報酬金額の半分だけもらって帰った。
俺たちがモンスターを退治したという噂を聞いて、この村の村長がお礼をいいに来た。
なんでも俺たちが退治したモンスターは5年前にある勇者に退治された魔王が生み出した強力なモンスターだったんだと。
で、そのあとにカッコいい服を買って(しかもサービスで俺がどっちの服にしようか迷っていたら二着とも譲ってくれた)現在レストランで夜ご飯中だ。
横でこの店のオーナーがこの世界のことを話してくれてくれている。
この世界の地図を始め美しい自然、少し先の王国やその国の英雄の武勇伝に恐ろしいモンスターのことや流行り病などいろいろ教えてもらった。
それになんの食材かは分からないけど、とにかくでてくる料理は全部最高の味だ。
お代はいらないらしい、村長の意向だとか。
ありがたい
もちろん頂きますは忘れてない、命には敬意を払ってるつもりだ。
ここら辺の感性はお父さんからもらった。
頂きますを言わない子供が増加の見出しの新聞記事を開いて最近のこは命に対する敬意が足らん、命を軽視しているって嘆いてた。
俺はそういうお父さんを見て育ってきた、そんなお父さんをカッコいいと思ってた。
でも俺簡単に死んじゃってお父さんに顔向けできないな。
また泣きそうだ。このままじゃヘタレって思われちまう。
それに気づいたのかエイタが拭いてくれた。優しすぎるだろ、ほんとに俺?
そういや俺の分身は俺の記憶を受け継いでんだよな
それならエイタなら俺が忘れてる俺の死亡原因知ってるのか?
とてつもない残酷な死に方だったって誰かが言ってたな、誰から聞いたっけ?
俺「エイタって俺が死んだ時の記憶ってあるのか?」
エイタ「えっ いや覚えておりません。申し訳ありません。」
俺「いや覚えてないならいいよ。うん」
エイタ「本当に申し訳ございません」
明らか残念そうな俺にもう一度エイタは謝ってきた
そういうのいいのに。
気分変えるか
俺「ちょっと外に出ないか?お腹もいっぱいだし散歩でもしようぜ。」
エイタ「はい、ご一緒いたします。」
もう外は真っ暗だ。
2人で街のはずれの原っぱで寝転んで星を見る。
俺の家からじゃこんな綺麗には見えなかった。
こうして過ごしているとエイタが同じ俺のはずなのにすげー仲の良い親友に思えてくる。
いや同じ俺だからこそか。正直最初は2人俺がいるなんてちょっと気持ち悪いと思ったけど、今はこいつ以上に頼もしいヤツはいない。
これからどんなことが起こってもエイタとなら乗り越えられるって心からそう思う。
1時間ほどたって帰ろうとした時にエイタは俺に話を切り出してきた。なんか神妙な面持ちで、まるで今からこれからの世界の方針を決めるかのような、
エイタ「主様と私の2人でこの世界を...
なんの話を始めるつもりだろうか?
エイタ「この世界を滅ぼしましょう。」