ファクターとの決着①/プレミア視点
ちょうど日が沈んだ頃、私達はリール様の部隊と合流した。
「やったな。これでレッドとファクターが共闘する心配がなくなった」
というリール様の褒め言葉がとても嬉しかった。けれども気分は、晴れと曇りをグルグルと繰り返すような、なんとも落ち着かない感じが抜けなかった。
食事をすませると、明日の戦いについての会議が始まった。リール様、ママ、スパルナさん、クリスさん、ドルビー。レイダーとランスはいないけれど、こうやって無事にみんなと会えるのはとても嬉しかった。
「みんな今日はお疲れさま。無事でよかった」
リール様が嬉しそうに言った。
「なあ、うちの部隊の一部の奴らが宴会やってるみたいなんだが、注意して来ていいすっか?」
ドルビーが困ったように言う。
「わかった。ただ、ちょっとだけは飲ませてやれ。気分転換も必要だ」
「うっす。ちょっと行ってくるっす」
ゆっくりと腰をあげると、ドルビーはテントから出て行った。
「さてと……明日、どう、戦いましょうか?」
ママの口調が強い。リール様に答えを求めてるような、そんな口調。
「当初の予定通りだ。俺とセリンとプレミア、三人でファクターの下に向かう。他のみんなはその援護だ」
「感謝しますわ」
ママの表情が少し和らいだのが分かった。
「ねえっ! 聞いていいか迷ってたんだけど、そんなにファクターと仲悪かったの? そんな記憶はなかったけど……」
スパルナさん気まずそうに言った。私は、ママの命が狙われ始めた当初に聞いていた。
「そうですわね―――。旅をしていた時は、そこまで仲が悪かったとは思いませんわ。まあ、仲がよかったわけでもないけど。ここまで険悪になったのは、魔王を倒した後ですわね。強い殺意と共に、一方的に恨み始めた感じですわ」
「どうして突然?」
クリスさんも興味があるようだった。ママは私の顔をチラリと見た。
「プレミアを―――アクトスとの子供と勘違いしたのですわ。何度も説明しても聞く耳を持ちません。元々、私を殺す計画はファクターがアクトスを焚きつけたみたいですし、まだプレミアがアクトスの子だと思っているみたいですわね」
「……」
どうやらみんな反応に困っているようだった。私は、この話を一番最初にタイムリープするごとに聞いていた。この聞かないと、私を巻き込まないようにと一人で戦いに行ってしまうからだ。
私にとって父親の問題はどうでもいいことだ。ママは違うと言っているし、私自身、感覚的にアクトスと血のつながりを感じたこともない。もし父親だったなんて考えるだけでも吐き気がする。
「話してくれてありがとう。俺もファクターには大きな恨みがあるからな。セリンはファクターの弱点を知っているようだけど、よかったら戦い方を教えてくれないか? 前に戦った時のように、魔力を奪っていく感じか?」
「そうね―――魔力を奪うなんて生ぬるい―――ファクターの魔法を全て封じることができますわ。封じている間にリールとプレミアが倒す。ただ―――それだけの作戦ですわ」
驚きの声があがる。その通りなのだ。一時的にファクターが魔法を使えなくする。その隙にリール様と私でファクターを殺すのだ。私一人でもやれないことはないけど、たまに失敗してしまうことがあった。
レッドと二人でやれば殺せる確率100%だったのだ。今回はレッドの役割だったことをリール様がやってくれる。
「そんなことができるなんて……。すごいねっ!! 絶対勝てるじゃん!!」
スパルナさんはクリスさんの手を握ると、立ち上がらせてクルクルと踊った。
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