VSラグナロク軍①/リール視点
日の出と共に進軍を開始した。夜中に雷雨があった影響で、地面はぬかるみ、周囲の木々は雨で濡れていた。
セリン達は無事に目的地に到着したようだった。
アクトス国に入るための主要な道は3つある。
1つは西側河川ルート。俺達が最初にミシリ―に入国するために使用したルートだ。アクトス国側のカサティーユ城とミシリ―国側のトモティーユ城が河川を挟み関所となっている。広い川のため軍隊が進出しにくいため、このルートは使用しない。
2つめは南方森林ルート。セリン達の部隊が進行しているルートだ。小さな丘と森が広がる地域を貫くように道が伸びている。昔からある主要道だ。
そして3つ目が北方平原ルート。現在、俺達が進出しているルートだ。アクトス国の建国に伴い使われ始めたルートで、ミシリ―国にとって喉に刺さった棘のような地域でもある。アクトスによるミシリ―国の侵攻を目的とした開発が進んでいる地域でもあり、今回ミシリ―本隊が動いた原因の一つにもされている。
レイダーとランスがいるミシリ―軍本隊は、どちらか一方のルートを制圧したタイミングで、そのルートからアクトス国へ進出をすることになっている。
現在は、どちらにも援軍並びに補給を行える地域で拠点を作り陣形を敷いている状態だ。
俺とセリンの部隊に任された使命は、本隊がアクトス国に無傷で入国するためのルート作りだ。ハッキリと言ってしまえば、その目的が達成されれば俺とセリンの軍が壊滅的な被害を受けようと本隊には関係なかったりする。
ただ、俺達の目的達成のためにはそれでは駄目なのだ。
できるだけ小規模な被害で通路を塞ぐレッドとラグナロクの軍を撃破し、二つの軍を指揮するファクター軍を殲滅する。
そして、ミシリ―軍の本隊と合流し、アクトス軍との戦いに挑む。
太陽は高く昇り、朝露はすでに彼方に消え去った頃、俺達は目的の場所に到着した。
広々とした平原に、石畳の道路が真っすぐと伸びる。見覚えのある景色だ。目を凝らせば、何千というこちらと同数くらいの軍勢が待ち構えているのが見えた。
ラグナロク軍に間違いない。
「うおおおおおおおお」
という勇ましい掛け声が上がる。
「いよいよだね」
クリスが力強く言う。
「グオオオオオウ」
とキングガルーダへと形態を変えたスパルナが仲間の軍を鼓舞する。
地響きのような騎馬隊の足音が近づいてくる。
ラグナロク軍勢の中に光が見えた。『キラリ』と光るそれは、数百ほどの数に膨らみ、俺達に向かってきている。
これが開戦の合図だった。
「反射!」
俺達の軍全体を包むほどの大きなリフレクトを展開し、
「迎え撃つぞ!!!!!!俺に続け!!!!!」
進撃の合図を送る。軍は一斉に動き出した。
『光』は、ラグナロクの攻撃魔法だ。不意を突かれた状態であれば、この攻撃だけで壊滅的な被害が出ただろう。
だが、俺はその戦い方を『知っている』。そして防ぐ術も持っている。光は『リフレクト』を破ることが出来ず、反転し、ラグナロク軍へ戻っていく。
静かだった平原に、爆発音と叫び声が響き渡る。ラグナロク軍の兵士達が飛び散っていく姿がハッキリと見えた。
ついに戦いが始まった。
いつも読んでいただきありがとうございます。もはや読んでいる方がbotだけという恐怖もありますが、引き続き書いていこうと思っていますのでよろしくお願いいたします。




