表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/94

再々々始動。同じ時間を生きる仲間/リール視点

時間跳躍タイムリープ』の魔法が発動された。


 夢と現実を行った来たりするような感覚。ふらふらと空を飛んでいるような感覚。


「リール君! リール君!」


 声が聞こえる。この声はクリスだ。少しずつ意識が覚醒していく。


「言われてた資料持ってきたのに! 寝てるなんて」


「あ、ああ……悪い」


「はい! 冒険者の資料!」


 机の上に書類の束が置かれた。この資料の多さは仲間探しを始めた頃だろう。


 つまり2か月前。


 前回戻って来たのと同じ時間だ。プレミアと、やり直すならこの時が一番いいという話をしていた。


「また用事があったら呼んでよね。持ってくるから」


 クリスは小さく手を振り部屋から出て行った。


 部屋には俺しかいなかった。あと10分くらいでプレミアが部屋に入ってくるはずだ。


 記憶を持ち越しての、人生で二度目となる長い間隔による時間跳躍タイムリープだ。初めての時間跳躍タイムリープだった前回とは気持ちが違う。


 前回は初めて記憶を持ち越したことによる戸惑いもあったが、やれることはやったはずだ。


 未来を知っているという優位性、そして選択肢を変えることにより、予想外を超えて変わっていく未来。


 レッドから徹底的に距離を置いた結果、失敗とは言え、ファクターを前線に引っ張り出すことに成功した。仲間にしなければ、軍を内部から崩壊されることはなく、途中までは戦いを有利に進めることができた。

 

 プレミアが時間跳躍(タイムリープ)を使う時を話してくれた。


 『セリンの死、またはそれに近い状態』になった時。


 セリンを生かすために、プレミアは数え切れないほど時間を戻してきたと言っていた。それが世界を救う本当の理由であり、アクトスを倒す目的でもあると言っていた。

 

 その考えを否定しない。記憶を持ち越しているからこそ分かる。


 この時間は、プレミアが何度となく繰り返し、選択肢を変え、ようやくたどり着いた場所なのだ。


 前回失敗した時間を思い出す。セリンを戦わせないという選択肢もあったが、セリンに代わる回復魔法の使い手なんているはずがない。


 セリンの魔法があるからこそ、レッドとラグナロクがいるファクター軍と戦える。


「リール様……」


 扉がゆっくりと開き、青ざめた表情のプレミアが入って来た。


「無事でよかった。セリンは?」


「リール様も……。よくぞご無事で……。ママは……。外でひなたぼっこしてます……」


「そうか。プレミア、少し話そうか?」


「……リール様は……覚えているんですよね……? 時間を戻す前のことを」


「もちろん」


「……」


 プレミアは少し泣いていた。


 俺はプレミアの頭を優しく撫でた。今までずっと、たった一人で戦ってきたのだ。

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ