再始動②面接/リール視点
「最初の顔合わせは来週になります。ランスさん、どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしく頼む。一緒に戦えるのを楽しみにしている」
ランスは深々と頭をさげ部屋から出て行った。
「さすがの貫禄ですわね」
セリンが紅茶を飲みながら言った。ミシリ―の冒険者ギルドで軍団長を務めているだけあって、言葉の一つ一つに威圧感がある。さすが兵士であり、百戦錬磨の戦士でもある。
「女性関係で問題があるとのお話ですが、まあ、この能力の高さであれば少しくらいおおめに見てもよろしいかもしれません。ただしっ! 少しでも問題があるようならば追放させていただきますわ」
「じゃあ合格ということで」
「はい。よろしいと思います」
セリンの許可が下りたようなので一安心だ。次はレイダーだ。
レイダーは36歳の男、やはり独身。自分を含め結婚できない男を集めた軍隊になっているようにも感じるが、やはり家庭持ちに声をかけづらいという思いもあった。
生きて帰れる保証はない。スパルナにもこの面接に参加するように声をかけているが、正直かなり迷いがあった。
レイダーは、ランスと経歴が似ていた。攻撃型の戦士であり、ミシリ―軍の出身だった。そして、ミシリ―冒険者ギルドで部隊長を務めたことがある人材だった。
違いとしては、一時期アクトス国の冒険者ギルドに所属していたことだ。傭兵としてアクトス軍と共に魔王軍の残党と戦ったことがある。アクトス国の体制に嫌気がさしミシリ―に戻ってきたとのことだった。
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「以上の経歴で間違いないでしょうか?」
「はい。あの国はいけません。アクトス含め全てが腐りきってます」
目の前に座ったレイダーは、目線をそらすことをなく、ハッキリとそう言い切った。
「俺はアクトスの出身です。腐敗の状況もよく知っている。レイダーさんが参加したこの魔王軍残党の討伐、かなり裏があったように聞いてます。5年前も噂になっていた」
「ええ。魔王軍の残党を焚きつけたのはアクトスでした。本当の目的は、アクトス国への編入を拒絶した村への見せしめです。魔王軍を殺しつつ、村の住民も殺害していました」
レイダーが口調が強くなり、声が震え始めた。怒りが伝わってくる。
「申し訳ございません。私に力がないせいで…………」
「い、いえそんなことはございません! セリン様がご尽力されていたのは部隊にも届いておりました……」
「……申し訳……ございません」
セリンはそう言うと黙りこんだ。今までアクトス国でセリンがどういう立場だったのかをきちんと聞いたことがなかった。どうしても話しづらい話題だった。
沈黙の後、それ以上その話題に触れることはなかった。軽い談笑をし面接は終わった。セリンも引きずる様子もなく、明るく振舞っていた。
その後、スパルナとは面接という名のお茶会(差し入れのお菓子を食べた)をし、ドルビーをからかい、クリスにサプライズをして、全ての面接を無事に終えたのだった。
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