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出会い/リール視点

 自分の店に戻った俺は、カウンター席にプレミアと名乗る少女を座らせた。


 お昼の開店にはまだ時間があるが、ランチのための仕込みは諦めるしかなさそうだった。

 プレミアはだいぶ落ち着いたようで、目を擦りながら呼吸を整えていた。


「ちょっと待ってろ」


 俺は冷暗室からバッファローのミルクとわずかに残ったコーヒー豆を取り出し、ホットミルクコーヒーを作った。


「良かったら飲みな。バッファローのミルクコーヒーだ。体が暖まる」


「あ、ありがとうございます……」


 そう言うと、プレミアは小さな口で飲み始めた。


「すごく……美味しいです」


「そうか、なら良かった。心が落ち着く魔法をかけたから、すぐに心が安定すると思う」


「そんな魔法があるのですね……。知りませんでした。確かに心が落ち着く感じがします」


 プレミアの表情が穏やかになった気がした。少し安心したのだろう。


「まあ嘘だけど。そんな魔法、おれは使えない」


「え……嘘なんですか?」


 びっくりした表情が可愛らしい。美人だが愛嬌がある。


「ははっ。悪かったな。でも落ち着いたろ?」


「はい……。ありがとうございます」


 プレミアはニッコリと笑った。良かった。これなら話の本題に入っても大丈夫かもしれない。


「いくつか聞いてもいいか?」


「はい」


「セリン様の娘と言うのは本当か?」


「はい。本当です。証明する物は……難しいですね。どうですか? すごく母に似てると思いますが」


 そう言うと顔をギリギリまで近づけてきた。


「近い。近すぎて分からんし、そもそもセリン様をしっかり見たことがない」


「そうですか……。でも本当に娘なんです。信じてください」


 肩を落としてションボリしている。


 こうして話をしていると、溢れ出る育ちの良さと気品、整った目鼻立ち、持っている魔力の質の高さ。セリンの娘と言われれば納得のいく部分は多かった。


「分かった。信じるよ」


「本当ですか! ありがとうございます!」

 

 今日一番の大きな声だ。余程嬉しかったのだろう。


「母から、リール様の話を聞きました」


「セリン様が俺の話を? 人違いでは? リールという名前だけなら他にもいる」


「先程、私を守ってくれた時に使っていたリフレクトの魔法です。現在使用出来る魔術師はリール様だけと聞いております」


 リフレクトを俺しか使用できないというのは知らなかった。魔術師ギルドから距離を置いているせいもあり、誰がどんな魔法を使えるといった話にはとても疎い。


 ふと、勇者パーティを追い出されるきっかけとなった戦闘でリフレクトを使用したことを思い出した。もしかすると、その時の話をセリンはアクトス達から聞いているのかも知れない。それで俺を知ることになった。それなら辻褄もあう。


「人違いではないのは分かった。それで、俺に何の用なんだ?」


 プレミアは、とても真剣な目つきで見つめている。今までにない、強い意志と覚悟を感じる目だった。


「世界を、流星メテオから救って欲しいのです。もうすぐ……世界が滅びます」

ありがとうございます。

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