表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/94

面会と異変/リール視点

「急いでいるんだが、どうしても会わないと駄目なんですか?」


 俺は上官兵士に尋ねた。もし予想外の提案であるならば会わないに越したことはない。


「面会を拒絶するようであれば通すことはできません」


 ハッキリとしたその口調に迷いない。どうやら交渉の余地はなさそうだった。


「かまいませんわ。ちょっとお会いして挨拶してきます」


 セリンは諦めた表情で言った。


「俺も一緒に行くよ」


「心強いですわ」


「私も行く!!」


 3人一緒であれば、何かあっても対応できるだろう。そう思った時だった。


「申し訳ございませんが、面会はセリン様とプレミア様だけでお願いいたします。ご同行の方がいるという話は聞いておりませんので」


「どういうことですか? この方は私の大事な仲間ですわ。きっとカサティーユ伯もお許しになると思いますが」


 セリンは少し不快感を露わにした。大事な仲間とハッキリ口に出されると、くすぐったい気持ちになる。


「そうです。カサティーユ伯ならきっとお許しくださるはずです」


 プレミアも加勢する。しかし上官兵士は表情一つ変えずに、


「出来かねます」


 と言った。変わらない強固な態度。


 面会をすれば通してくれるという相手に、これ以上強硬策を取る必要性もない。もはや押し問答するだけ時間の無駄といった感じだった。


 俺は不満げな二人に「行って来いよ」と伝えた。


****


 上官の兵士に連れていかれる二人を見送ると、俺は兵士たちの詰め所に案内された。


「客人を案内する部屋がない。悪く思うな」


 と下っ端の兵士は言った。


 詰め所には数人の兵士が休憩をしていた。「なんだあいつは」という目線を感じる。兵士以外の人間が入ることがないのだろう。


 そのまま部屋の奥に案内され、特にもてなしのコーヒーもなく、静加に二人を待つことになった。


 始めは20分くらいだと思っていた。すぐに戻ってくると思っていた。


 それが30分が過ぎ、40分、50分と過ぎていく。


 まだ帰って来ない。明らかに遅い。何かあったのだろうか。


 兵士に様子を聞いた。「確認してきます」という言葉とともに、さらに30分待たされる。戻って来た兵士は「食事を用意していたので会食をしている」と悪びれもなく言った。 

 少しずつ生まれ始めた苛立ちを抑えつつ、更に1時間以上待った。


 しかし、二人は戻ってこない。


「もう我慢できない。俺達は急いでいるんだ。カサティーユ伯のもとへ案内してくれ」


「できません。もう一度確認してまいります。もうしばらくお待ちください」


 我慢できずに強めの要求をしてみたが、態度は全く変わることがない。嫌な予感がする。俺はグッと堪え、もう一度兵士が戻ってくるのを待った。


「戻りました」という兵士の言葉が聞こえた。俺はすぐにその兵士に問いかけた。


「どういう状況ですか?」


「セリン様から伝言を預かっております」


「伝言……ですか?」


「はい。『二人でミシリ―へ行くことになった。リール様はプレーン村で待機するように』とのことです」


 その伝言の内容は、二人の意志でないことにすぐに気付いた。今更プレーン村で待機する必要性がない。二人の身に何かかが起きている。

読んでいただきありがとうございます。またブックマークありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ