初めての友達
さて、まずは町を目指しますか。
ここは運に任せてずっとまっすぐ歩こう。
───
歩くこと30分
ずっと緑で暇!
どこを見ても緑なんですよ。
どうしましょう。
ここは神様に頼むか。
「神様どうかお願いします。この状況をどうにかしてください。」
パァァァァ
『スキル 神頼み 発動』
あれ?
景色が回って・・・
バタッ
「・・・て!・・きて!」
「起きて!」
「ウオッ」
ついつい女の子らしからぬ声を出してしまった。
「大丈夫そうね。良かったわ。」
「何がですか?」
「何も覚えていないの?貴方は町の中央で倒れていたのよ。」
「記憶にございません。」
もしかしてどうにかしてって頼んだから?
神って凄いな。改めて。
「あっ!まだ自己紹介をしていなかったわね。私はユリよ。この町で冒険者をやっているわ。ちなみに職業は戦士よ。年は16。」
「私は伊藤優愛です。職業は魔法戦士です。年は同じ16です。」
「同じならタメ口で良いわよ。ところで、名前をもう一度言ってくれるかしら。」
「伊藤優愛。」
「あなたまさか、名字を持っているの!?」
「うん。」
「どうやって!?」
「どうやってって言われても・・・」
「ごめんなさい。取り乱したわ。名字を持っているのは、皇族や位の高い貴族、それに伝説の勇者様御一行ぐらいなのよ。」
「それぐらい名字を持っている人は凄いの。というより、名字って付けたくても付けられないからね。神に認められてから初めて名字は付けられるのよ。」
「へぇ。初めて知った。」
そんなルールあったんだ。じゃあ気軽に名字を言わない方が良いってことね。
「とにかく、この町来たの初めてでしょう?案内するわ。」
「ありがとう!」
この世界に来て初めての友達がてきました!