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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第二部 人間失格どころか辞めてしまった編
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免罪符

11月12日 、晴れ。


違うぞ、全然違う。こうじゃない。


強盗、強姦、暴動、殺人、放火などなど、阿鼻叫喚な街の様子を想像していたのだが…。


住民は固く戸を閉め、嵐が過ぎるのをただじっと待っている。


つまらないじゃないか。


やる気が感じられない。


告知にちょい足しした。


【告知内容・追加分】


”ターゲットを狩ろうとしない者は罪人ですよ?”


”命の保証について”


”ターゲットの首を持っていない者については、命の保証はいたしません”


”ターゲットの首1つに対して、4名まで保証します”


”そして、スペシャルサービスとして、一般市民の皆様には……”


”たった今から、ターゲット狩りを解禁しますっ!!”


”ふるってご参加ください”


なかなか良いアイデアじゃないか。


勿論、一般市民などに手を出すつもりはない。


こいういうのって、最初の一人が肝心なんだよね。


なので、各都市にいる影たちを使い、声を上げて一般市民を誘導・誘発し、暴徒化させる。


作戦は、みごとに的中し、街のアチラコチラから火の手が上がり、悲鳴が聞こえた。


それを屋敷の2階から眺めていたが、いよいよ、このフォルレルド家にも暴徒達がやってきた。


扉や壁を壊す者、乗り越える者、ざっと100人以上はいるだろうか、瞬く間に庭園に入り込んだ。


屋敷の内部からは、衛兵の怒号が聞こえ、なかなかの緊迫感を醸し出す。


良いではないかっ! これだよ、これ。


俺は鏡の前に立ち、カレンのドレス姿をチェックする。


うん、か弱そうだ。


良いシュチュエーションを考える。


怖がって、鍵をかけた部屋の隅で、うずくまっていよう。


しばらくすると、1階は鎮圧されてしまったのか、叫び声が聞こえなくなった。


そして、俺のいる部屋の扉が壊されたのだ。


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