村でほっこり
目的は唯一つ。地下14階層へ続く場所の発見だ。
そのために貴族、学園、暗殺ギルド、冒険者ギルドなどから情報を得る手段を構築している。
貴族は富と権力を愛している。その欲望を利用しながら、例えば、より高価な調度品や魔道具を手に入れたならば、その入手経路上に迷宮の手がかりを探す。
学園ならば、アルマゲスト島の歴史や、禁忌の魔術書から。
暗殺ギルドならば、裏社会のゴミ共がねぐらにしている古代ダンジョンを。
冒険者ギルドで言えば、前人未到の迷宮の情報提供を。
あとは商人ギルドと王族からの情報も欲しいな。
現在、何ひとつも手がかりがないのだ。
だが、今はラーズル村に帰ってきている。
まずこの村での仕事を片付けよう。
「おい、村長、お前だろう? 魔王の噂を流しているのは?」
「そ、そのような…」
「あまり舐めるなよ? 俺に、嘘は通じない」
「わ、私を、こ、殺すのか?」
「夜紅血の王向かって、タメ口とは…。まぁいい。それと孕ました女共に手を出すなよ?」
「な、なんのことだか……あぐっ」
短剣で村長の右手を切り落とす。
「正直、面倒なんだよ、おい、影出てこい」
「はっ」何処からとも無く影が現れる。
「この村長を監視しろ、会話も、手紙も、すべて検閲しろ」
「はっ」
「次はないぞ」とヒールで切断した右手の出血を止めるが、切断したままとした。
またローズンの家に勝手に上がり込み寛いでいると、ダースラが訪ねてきた。
「うわっ、何か臭いよ…」
「地下下水道を歩いたからな」
「ちょっと服洗うから脱いでよ、あと湯浴みの準備するから、呼んだら来てね」
せっせと働くダースラを見ながら思いにふける。
今の俺は14才ぐらいかな、ダースラは10才か。
どちらかと言えば、ゆいはお姉さんタイプだった。
やばい、ダースラとゆいを比べているのか…。
ダースラが不死ならば、連れて行ってもいいだろう。
不死化? そんなことできるのだろうか?
ちょっと調べてみても良いかもな。




