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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第二部 人間失格どころか辞めてしまった編
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暗殺ギルド

気分が良い…楽しい、楽しすぎる…。


血に酔い、ハイなテンションで馬鹿笑いしていると、執事バルが交渉してきた。


「夜紅血の王よ、このままフォルレルド家を我らの手中に収めてしまいませぬか? 潰して金を…」


「何を馬鹿なことを言っている、潰して端金を得るのか? あれでも貴族だ。下の下の貴族だが潰すのは勿体無い、何かの役には立つだろう。それに、また一から貴族に成り上がるのも、それなりに苦労する」


「では、裏から操るのでしょうか?」


「小さいぞ、バルよ…。貴族などで儲けようとするなよ」


「目指すは、アルマゲスト島の全てに恐怖を与える…そう、暗殺ギルドだ。裏から3カ国、全てを牛耳る圧倒的な恐怖を持つほどの…どうだ? 面白そうだろ?」


「暗殺ギルド…」


「そうだ。敵対する奴らは、全て俺が滅ぼす、お前は、ただ暗殺ギルドを社会の裏から、紙に染み込む水のように、広げていけば良いのだ…。金は…。報酬は好きにしろ。ただし必要なときに影と小遣い程度の金はもらうがな…」


「ただただ、感服するばかりでございます」


「それと、生け贄だ。この地下室とは別の地下室を用意しろ。ここはカマラルの娘、専用とする。出入りの過程で、ここが発見されては計画に支障をきたす」


「新しい地下室ですか…。恐れ多いのですが、私の裁量で利用できる資金も底を尽き、これ以上は…」


「なるほど、では、街で金貨が大量にある場所を襲うとしよう」


「では、銀行と呼ばれる建屋に金庫なるものがあります」


「そうか、金貨、持ち運びと逃走の計画を立てろ」


「畏まりました。ですが、持ち運びのための人員確保のため、少々お時間を頂けないでしょうか?」


「かまわん、それまでは…娘で遊ぶとしよう」


俺の職である、ものまねのスキルを発動する。


(完コピ:完全に相手をコピーする。コピー時には接触必須。コピー後の生死は問わない。)


カマラルの娘に化けると、ニッコリと笑う。


「バルよ、俺を殺さぬ程度にボロボロにして、街の中央に投げ捨ててくれ」


「ですが…」


「良いのだ。そこまでやらねば、誰も信用しないだろう?」


***** ***** ***** ***** ***** 


一糸纏わぬ、ボロボロの少女は、街の衛兵に発見される。


フォルレルド家内でも、兄弟の確執を忘れ、少女の治療に全力を尽くした。


俺は、目を覚ます…。


「おお、カレンが目を覚ましたぞっ!!」


確執のある兄弟は、このカマラル一家誘拐事件を機に、お互いを認め合うことで兄弟の結束を取り戻していたのだった。


バルめ…計画失敗しているじゃねーか。 

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