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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第二部 人間失格どころか辞めてしまった編
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吸血PK

ちょっと早急すぎたので、ここまでを整理する。


兄のレファテ派であり頭脳といえる人物カマラルを誘拐する。


このとき執事バルの手下で影と呼ばれる闇の実行部隊にも協力させた。


そして執事バルに要求した報酬の一つである地下拷問室にて、カマラルを殺害する。


血と魂の渇望からの解放と、それらの取り込み実験がメインだったのだが。


猿ぐつわはしたのだが、目隠しを忘れてしまい殺害のシーンを子供たちに見せてしまった。


これは教育上良くない。


さて、母親の血を牙から吸う実験だ。


映画で観たように首筋にカプリと噛み付く。


鼻につく香りは、16才のイーシノの濃厚な性と生の香りとは違い、ちょっと高価な…食材?みたいな香りだ、味は、酸味が強い。


あれ? マジで血を吸っているぞ…。


しかも飲めば飲むほど、美味しく感じってきた。


ヤバイ、正月に親父に隠れて酒を飲んだときみたいに酔いそうな気分だ。


吸われた母親は、快感と快楽に溺れ、死へと近づいている自分の肉体にも気付かない。


娘と息子は、どんどん干からびていく母親の姿に、ただ恐ろしくて声も出ない様子だ。


一滴も残さずに飲み干すと、母親の体は砂のように崩れ、衣服だけが残った。


吸血の場合でも、ソウルポイント、ブラッドポイント共にゲットできた。


「なるほど、こうなるのか…頭がクラクラするぞ、だがもっと飲みたい…」


「流石、夜紅血の王でございますな、首の刎ねっぴりもお見事でしたが、こちらも芸術の様な…」


「意味がわからん。さて、もう一つの報酬だが…」


「はい、間違いなく完遂させます」


「では、息子と娘…。俺は貴族にも慣れてないし、女の仕草もわからん。息子が良いのかな?」


「ふむ…そうですな…いや、娘の方がよろしいかと」


「なぜだ?」


「いざとなれば、泣いていれば良いのです。家族を失ったと誰もが同情するでしょう」


「なるほど、息子ならば、それでも胸を張れとか言われるか…」


「はい…。その通りでございます」


俺は息子に近づき、匂いを嗅ぐ。


「大人と違って、オスでも不快な匂いはしないのだな」


「ふふふ、オスですか…。夜紅血の王にとって、もはや人は家畜も同然ですな」


息子を吸血する。感じるのは、生への渇望、果たせぬ夢、そして絶望の味だ。


一滴も残さずに飲み干すと、母親同様に砂のように崩れ、衣服だけが残った。


「吸血か、やめられんな、これは…」


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