発狂した女神、迷宮に立つ
崩壊した地下7階層で「どいつもこいつも…」ブツブツ呟く発狂した女神。
歩いて歩いて…地下3階層のエンドファミリーの屋敷に辿り着く。
「め、女神様っ!?」とオレ(幼馴染)は絶叫する。
恐らく、オレの波長を感知してここまで来たのだろう。
見た目がさらにヤバイ、女神と言うよりも、悪魔という表現では事足りないのだ。
髪の毛はボサボサほとんど抜け落ちて、血管は浮き上がるどころか、所々破裂して、目が半分ほど飛び出ていた。
では、なぜ女神とわかるのか?
それは、胸に付いているネームプレートでだ。
流石の遠藤も引き気味の中、発狂した女神は、口を開く。
「おい、なぜあのガキを殺さないのだぁっ!?」
「何処を探してもいないのです」
「何を馬鹿な…地下12階層にいるではないかっ!!」
「おい、こいつは誰なんだ?」
オレは遠藤に異世界転生者であること、目の前にいるのが女神であることを告げる。
遠藤は、柔軟すぎる頭で、理解した模様。
本当かよ…。
「女神よ、俺達の力では、地下12階層など夢のまた夢、地下7階層さえも厳しいのです」
遠藤は女神を使って、力を得ようと考えているのだろう。
「馬鹿な、馬鹿な、あうん? 捻れているのか…世界が…なるほど、だからか」
「歪み?」と遠藤が首を傾げる。
「そう歪みじゃっ!? それが答え…」
発狂した女神は一人でブツブツ何かを思案している。
俺達は迂闊に動けずにいる。
「良いことを思いついた…お前ら、4人は、忠誠を誓うが良い…」
発狂した女神は、地下迷宮ラプラスを触媒として…。
1.地下迷宮ラプラス
2.地下迷宮ラプラスの外の世界
3.オレ(幼馴染)がいた世界
4.怠慢な女神様時代にいた天上界
5.発狂した女神としていた魔の深淵
を繋げてしまう。
それは地下7階層崩壊なんて比ではない。
一度すべての世界が無に帰す勢いであり、すべての概念さえも再構築し始めた…。
世界創造レベルの大魔法を使いこなせるなら、もっと真面目にやれよと、オレは消える中、ただただ思った…。




