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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第二部 人間失格どころか辞めてしまった編
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一党独裁制

地下7階層は草原のステージ崩壊から、7ヶ月が過ぎようとしていた。


地下迷宮ラプラスを取り巻く環境は激変する。


エンドファミリー城に向かわせた男爵が、犠牲者第一号だろう。


地下7階層へ押し寄せる地下8階層の魔獣達は、脅威の攻撃力を誇っており、男爵を通常攻撃一撃で葬ったのだ。


その後も何度か複数の男爵を送り、通常攻撃で2,000から4,000のダメージを受けることがわかった。


恐らく、地下迷宮ラプラス内で、この攻撃力に耐えられる者は、懐かしい馬鹿PKと同じ方法でHPをブーストしたライブラか、不死のスキルを持つオレ(幼馴染)だけだろう。


オレの不死のスキルは、再生まで時間がかかる。オーバーキルされると復活に更に時間がかかる。


つまり、魔獣があふれ返る地下7階層を抜けて、地下8階層に辿り着くなど、夢のまた夢なのだ。


「いや、恐らく、前人未到の地下8階層は、魔獣ステージだろう。それ以降はもっと強力な魔獣がいると考えられる」と遠藤。


事実上、地下迷宮ラプラス攻略は詰んだのである。いや最初から詰んでいたのだろう。


遠藤は、地下7階層から地下6階層への出入り口を魔獣が通れない1箇所を覗いて、全て潰した。


また地下1階層へ送られてくる新人もパタリと来なくなった。


異世界転生者のオレは、女神から聞かされていた情報を元に考察する。


地下迷宮ラプラスから、瘴気が噴出されなくなったのだろう。原因は大爆発以外考えられない。


以上、2つの理由から、遠藤は、地下迷宮ラプラス内で、生涯を暮らす決意をする。


せめて王として君臨するため、完全なる迷宮カースト制度を作る。


元から、オレ(幼馴染)、遠藤、シンズキ、ライブラの4人に対抗できる者などいないため、一党独裁制は簡単に達成できた。


7ヶ月が過ぎようとしていたが、オレ(幼馴染)は、馬鹿PKの捜索を暇があれば続けていた。


だが手がかりは少ない。


あの日、地下2階層でみたとか、地下3階層で暴れていたとか、どれも検証できていなかった。


恐らく、自害したとオレは考えている。


***** ***** ***** ***** ***** 



「あの忌々しいガキを、ガキの臓物を全部、引きずり出してきなさいよっ!!」


怠慢な女神様は、発狂した女神として、天上界から追放されていた。


「あのガキって誰ですか? 死んだら美人の女神に会えるって思ってたのに」


「ふざけるなよ、テメェェェェッ!!! このまま地獄に送ろうかぁ?」


「怒らないでくださいよ。で、どんな所なんです? 転生先は?」


「迷宮よ、全部、壊してきなさいっ!! 何もかも、全部よ?」


「えーっ?? 英雄とかになりたいんっすけど?」


「黙って、コレ持って、逝きやがれっ!!」


***** ***** ***** ***** ***** 


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