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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第二部 人間失格どころか辞めてしまった編
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詰みセーブ

オレが目にしたのは森林。


「助かったのか?」とオレは呟く。


(遠藤が、あいつを煽らなけば…。ここまでの惨状は予想は出来なかったが、遠藤の軍門に降るとは思ってもいなかった)


エンドファミリーのゆいが作成した緊急避難アイテムの転送先は、地下2階層の森林のステージ。


緊急避難アイテムなど使用しないという自信もあり、転送先など何処でも良かった。


このことが、エンドファミリーを崩壊寸前の地下7階層から、生還させてくれたのだった。


だが生還できたのは、オレ(幼馴染)、遠藤、シンズキ、ライブラの4人か。


ゆいも、馬鹿PKがサーカス団団長と呼ぶ野郎も転移して来ない。


幹部としては桁違いの強さを誇るが、遠藤の人形スキルから生み出した生命に過ぎないため、また作れば問題ないだろう。


遠藤は右手を正面にかざし、ゆいが地面から現れた。


「ゆい、投影鏡を作れ」


ゆいは言われた通りA4用紙ほどの鏡を作り出し、地面に置いた。


投影鏡とは、水晶を持った相手の視界を映し出すことができるアイテムだ。


「クリスタルGの城の男爵(馬鹿PKがサーカス団団長と呼ぶデブ)に繋げ」


画面の映像は激しく揺れている。


「写りが悪い? いや、地下7階層に地震が発生しているのか?」


視点がおかしいことに気が付いたシンズキが言う。


「遠藤さん、男爵を城の外へ出せますか?」


「あぁ、やってみる」


揺れが激しすぎるのか立っていられないとの男爵から連絡があり、四つん這いで城外に出た男爵。


その視界には、崩壊した空がの歪み。ある場所には巨大な歯車が見え、ある場所からは、ナイヤガラの滝のように赤い液体が流れ落ちていた。


草原のステージの西側は山と呼べる高さまで盛り上がり、南側は陥没しているのか地面そのものが消えたのか判別できなかった。


エンドファミリー城が合った方角には、雷雲が立ち込め、地面からは黒い正気のようなものを空中に放出し続けていた。


「なんなんだ、これは…」とオレは呟く。


「今戻るのは危険だな」と遠藤。


「男爵をエンドファミリー城に向かわせることは可能ですか?」シンズキが言う。


恐らく連れてきた部下の安否が気になるのだろう。


「そうだな。城がどうなったかも調査も必要だ。城が破壊された場合、地下8階層へ行くための条件が満たされなくなる」


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