侵入、エンドファミリーの城
恐れることはない。正面突破だ。
高く分厚い城壁が何重にも城を囲っているが、来るなら来い的に城門は開け放たれていた。
雷轟の弓を握り、城へ続く石橋を渡る。
狭間から、矢の一本でも飛んでくるかと思ったが、何の抵抗もなく城内部へ侵入できた。
これは…完全に、罠ですよね。
罠と言えば、サーカス団団長ですよね。
面倒です。
と、敵さんも城内部へ進むと思ってるだろうが、あくまでも調査なので、外部から徐々に城全体の構造を調べていくことにした。
中庭、外壁、外壁の上、離れの塔まるで、生活感がない。
生活感がなければ、清掃もしてないんだろうけど、ゴミなどが落ちていないのだ。
不自然すぎて、怖い。
「ヒャッハー」とか来てもらった方が、逆に安心するのだが。
再度、城内に入る。
扉の幅より少し奥まった位置から、柱が等間隔でずらりと奥にある階段まで立てられている。
死角だらけだな。
魔法の類いなのか、城内は昼間の外のように明るい。
継ぎ目のない床の素材とか、知らないけど、格調高いとでも言うのか?
足音だけが響く、まるでボス戦直前の雰囲気だ。
肩透かし、まさに、肩透かしだ、階段まで何事もなく辿り着く。
2階に行くか、階段の裏側を調べるか?
セオリー通りに2階へ進もう。
何がセオリーだ、ただ言いたかっただけだ。
2階には、初対面の幹部が待っていた。
「はじめまして、壊れたPKさん、俺は幹部の一人、ライブラ」
白銀の鎧を身に纏った騎士風の男が挨拶をすると、背後から魔法使い風の男女5人が現れた。
「さてと、始めますか?」
背後の5人から支援魔法を受けるライブラ。
紳士じゃあるまいし、待っててあげませんよ?
雷轟の弓で、背後のバフをかけている男女2人に狙いを付け、魔法の矢を連続で放つ。
バフをかけている男女とは別の男が、弓矢特化のアローシールドを前面に展開する。
舐めんよ、こっちは雷轟の弓だぜ?
ありゃ、思わずフラグっぽいことを口走ったのか…。
案の定、魔法の矢は、アローシールドで防がれた。




