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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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殲滅戦

霧が晴れたということは、クラリスは行ったのか。


霧の中でカースボルテックスを3発放ったのが不味かったのか、美しい街並みは廃墟となっている。


うん、大人しく腰を抜かしていてくれた防衛隊隊長のフーガさんに、「使えねぇ」なんて辛辣な言葉を投げかけてリはしないよ、だって、俺は”良い人”目指しているからね。


「防衛隊隊長のフーガ殿とお見受けする。ここ東、それと南、西は、制圧予定だ。フーガ殿は東側出口から北を目指し、”スターライト・血の血盟連合”、火の魔術師スライダー殿と交戦中の敵を側面から叩いて頂きたい」


「うん、やってみよう」


フーガさんは、自兵20名ほどを連れ東で口へ向かった。


あの戦力でクリスタルGを迎え撃つとは、ある意味すげーな。


うーん、俺も元から”スターライト・血の血盟連合”がいた北側に行くべきか…。


西担当の風の魔法使いバレル達は見えない謎の雷撃により、何の戦果も上げずに壊滅した。


時を同じくして、南担当の剣士アリエル、防衛隊隊長の剣士ジャーズは、地下3階層にいるはずがない、ファイヤードラゴンの前に、成す術もなく蹂躙されるのを待っていた。


プラリアと奇跡の再会を果たしたシーズは、一般市民が脱出するルートの北東方面に到着する。


そこには一般市民がごった返し、一向に動こうとしない一般市民をかき分け先頭を目指す、3人。


やっとの思いで、先頭、つまり街の外まで出ると、クリスタルG幹部が立ち塞がっていた。


いや誰かと交戦中なのか?


総大将の死霊使いふたば(兄)、特攻隊隊長の剣士シン、交渉担当の盗賊ピークは、怒涛の攻撃を繰り返すが、そこに立つ女性に何も届いていないのだ。


「ゆいっ!」


プラリアと共に現れたクラリスと名乗る女の子が叫ぶ。


クラリスは、ここに着くまで、如何に自分が不遇の立場でPKと過ごさなければならなかったかを面白可笑しく語ってくれたのだが、戦時中である今じゃないだろうとシーズは突っ込めなかったのだ。


ゆいは振り返ると、ニコッと笑う。


ゆいが展開する100あまりの浮遊する盾が、攻撃に転ずる合図であったのだ。


まず盾は盗賊ピークを狙う、それは蝗害の如く盗賊ピークを覆い尽くす。


盾と盾が衝突する音、擦られる音が数秒続いたかと思うと、盾は上空へ舞い上がり旋回を始める。


残されていたのは切り刻まれた肉塊であった。


特攻隊隊長の剣士シンは本体を狙うべく、ゆいに突撃する。


左手に錬成した豪炎の槍を投擲され、向かい撃つべく剣を構え踏ん張るが、直前で槍が大爆発する。


消し炭となった幹部を見て、「いまいちね」と呟く。


総大将の死霊使いふたば(兄)は、誤算を恨む、死体がなければ、実力の半分も出せねえじゃねぇーか。


エンドファミリーと取引で得たマジックアイテムも、死体ありきなのだ。


ここに来るまでに、死屍累々の光景を作り出しているはずだったのだ。

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