開戦
「おや、こんな時間にお客さんが来たぞ」とファイヤードラゴンが言った。
「よし、コジにPKさせましょう」とさくらが言うと、「それは駄目です、絶対に」とクラリスが猛反対する。
「良いよ、俺が行く。ファイヤードラゴン、転移魔法よろしく」
俺は、1階に転移すると、懐かしいが、会いたくなかった人物と再開する。
「マークス…」
必死に状況を説明するマークス。
打算モード全開で、無駄遣いの象徴である国産スパコン並の演算を開始する俺の脳。
ここで街を救った場合、俺はどの程度、罪を許してもらえるのだろうか?
実証実験の開始だ。
コジを残させて、ファイヤードラゴン達を1階に集める。
「よし、PKの時間だ。ただし条件がある…」
シーズは、街の北東へ住民を集めさせた。
北からの攻撃をスターライト・血の血盟連合が抑えられるさんだんだ。
東側をプラリアと防衛隊隊長のフーガで抑え、その隙に北東方面から住民を逃がす。
シーズは、街の北東部分の中央十字路で、クリスタルGを惹きつける役に徹する。
プラリアとの別れは済んでいる。
中々、泣き止まないプラリアには困ったものだ。
「さよならだ、プラリア」
砂煙と共に、クリスタルGの軍勢が無防備な湖の西側、南側から突入してくるのが見える。
そこは誰もいないだろう、無駄なことをと、笑った。
東側、今頃、プラリアが先陣を切って、戦が始まっているだろう。
ここに東側から敵が来ないことを祈ろう。
そのときはプラリアはもう、この世にはいないのだから。
プラリアは、持てる全ての魔獣を展開していた。
次々に兵を倒し、流れを血の血盟側に持っていこうとする、ウザイやつに気が付く、東担当:ふたば(弟)アサシンであった。
「あの女…どうやって、殺してやろうか」
女の周囲に、妙に懐かしい顔がいる、アサシン、魔術師、騎士…。
「あれ? あれは…月光の王ってギルドを壊滅させたときに、行方不明になっていた…?」
ふたば(弟)は興奮する。
「ひゃはっ、何か、楽しくなってきたな…」




