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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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不本意

緊急避難先は、地下6階層、ギルド”スターライト”の砦・元クラリスの部屋だった。


あれ? ポイント変更していなかったけ?


突然現れた謎の二人組に驚く、新しい住民。


何と説明すれば、ご理解頂けるのかと思案するが、既にさくらが雷轟の槍で刺殺していた。


人には会話という意思疎通の手段がですね…。


何かを期待しているさくら。


俺は急遽、サムズアップで「ナイス、PK!!」


微笑むさくら…大丈夫か、こいつ…いやいや、そう、育てたのは俺…か? いやそう育てるように命令されたのだ。悪いのは俺じゃない、俺じゃない、俺じゃない。


自責の念を振るい払うと、脱出方法を思案する…。


「うぎゃぁぁぁぁっ!」「ピッPKだぁぁぁっ!!」


はいっ?


今度は、何事ですか?


さくらが廊下に出て、殺戮しているらしい。


俺? そんな命令したっけ?


不味いぞ。


もう緊急回避が使えないのだ。


俺だけなら”反射ダメージ持ちだから相手にするな”で終わるのだが、さくらは無名だし、相手も意地になってPKKしにくるぞ。


廊下に出れば、死体の絨毯、まるで蹂躙。


恐らく、瞬時に100m単位で移動できる電光石火というスキルを使用して、さくらはPKしているのであろう。


壁も関係なくぶち抜いているし、死体は半分ないものとかもある。


これって、ランナーズ・ハイならぬPK・ハイなのか?


なんか、探すのもだるいな。


「うっ。だ、誰か、助けて…」


足元で息を引き取る寸前の男の子に足を掴まれた。


「スーパークイックヒール」何となく治療する。


そこにさくらが帰ってきて、俺の抱き抱えている少年を差し出せと言っている。


「その子で、コンプリートです」


「いやいや、誰も頼んでないし」


「意地悪なんだからっ!」


プンプンするさくらを無視して、暁の塔でも目指しますか。


ギルド”スターライト”の砦(地下6階層)が担う役割は、新人ギルドの育成と同盟であるギルド”血の同盟”の街(地下3階層)の保護と支援であった。


スターライトの総戦力1/4が失われたことで、地下迷宮ラプラスのパワーバランスが崩れ始める。


そんなことは知る由もない、お馬鹿なPKたちだった。

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