新入社員OJTのモデルプラン - その3 -
さくらは泣きながら「なんで、こんな」とか「ごめんなさい」とか言いながら、おっさんを刺す。
「おい、さくら、無意識でやってるのかしらないが、急所はずしてたら、いつまで経ってもおっさん死なないぞ? 余計辛い思いさせているのに気付けよ」とアドバイスする。
「わ、わかってるわよ」ついに頸動脈を切断し、初PKに成功する。
泣き崩れるさくらの前に、ゆいは、次の獲物を連れてくる。
「次、この子ね。この子は無能職者と言ってね、なんの役にも立たないのよ。食料も圧迫するし、外で歩けば即魔獣の餌ね」
「で、でも、PKするなんて、可哀想よ」
「そう思うでしょ? この子達は、小さなギルドから貰ってきたのよ?」
「嘘よ、脅して奪ってきたんでしょ?」
「ふっふふーん。違います。偽善者だらけのギルドの人たちは、本当は、この子達にいなくなって欲しいと思っていたのよ。ねぇ、そうでしょ、そんな扱い受けていたんでしょ?」
子供たちの猿ぐつわを外し、回答させる。
「う、うん…邪魔だって思われてたよ…当たり前だろ、痛くないように殺して…」
「さぁ、さくらどうするの? あなたが痛くないようにPKするの? 放置して餓死させるの? 外にほっぽりだして魔獣の餌にするの?」
うわっ…ゆい、目が輝いているよ…。
俺、チート持ちでよかった。
しかも子供と言っても、俺達と、1,2歳程度しか変わらないんだけどな。
あ、そうそう、年を取る人、年を取らない人、理由はわからないが、2種類いる気がするな。
「わ、私は…」
「ちなみに下らないこと言ったら、他の子供たちもPKしてくるからね」
突然、さくらは槍で自分の腹を刺し貫いた。
「スーパークイックヒールっと」
「うっ…、お願い、殺して、私を殺してっ!!」
自害しようとする優しいお姉ちゃんを見た少年は言った。
「お、お姉ちゃん。そんなに悲しがらないで、僕を殺しよ。今、お姉ちゃんが思ってる気持ちは、僕の気持ちと同じだよ、多分。そんなお姉ちゃんに殺して欲しいんだ」
「わぁぁぁぁぁっ!!」
さくらは、少年の首を刎ねた。
少年の生首は笑っていた。
笑ったまま死ぬなど可能なのだろうか?
さくらは泣きながら、少年の生首を抱きしめていた。
うん、キモいな。
しかし、ゆいは、さくらをどうしたいのだろうか?
いや、ゆいの考えることなど当てられるわけがない。
時間の無駄だ。
言われた通りにするしかないな。




