ショックな食レポ
「ゆいさん、ゆいさん、お一人で何を食べているのかな?」
木製の受け皿の上に焼かれた鉄板、そしてジュウジュウ音を立てるハンバーグ。
「俺のは?」
「んっ」と木の箱の上にあるジュウジュウいってるハンバーグを指差す。
「これ、オーブンとか使って焼くんだよね、確か?」
「そうだよ」
何でもかんでも錬金ならできるのかと思い、俺はハンバーグを一口食べる。
「美味い。なんかハーブとかも入ってる感じ?」
「うん」
「肉汁出る出るっ! ご飯が欲しい」
「パンしかない、ご飯嫌い」
まともな食事なんて初めてだ。
てか、ゆい料理とかできないと思ってたのに、意外と家庭的だな。
「まだ食べれる、もう1つあるよ?」
ハンバーグのおかわりなんて、はじめてだ。
育ち盛りっ!
そして、もう食べられませんと言って、地べたに寝転がる。
タープ、シートや銀マットなんて、ありませんよ?
寝転がると、目の前にある何かと、目が合った。
切断された女の子の生首であった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
ゆいが、飛び跳ねて駆け寄ってくる。
「ど、どうしたのっ!?」
滅多に叫ばない俺が叫ぶぐらいの危機が迫っているのだろうと、戦闘態勢を取る。
「あ、あぁぁぁ、あ、あれ…」
「どれっ? どこっ? ねぇ、敵は、どこ?」
震える指で、女の子の生首を指す。
「うん? えっ? ま、まじ??」
ゆいの冷たい目線を感じる。
「今日の夕飯の材料になってもらった、リルフェさんよ?」
「ばったり、そこで出会ったの。だけれども、妹にするのには、ちょっと大きいかなって」
俺は吐き戻さないように、必死で口を押える。
吐き戻すなんて、死者への冒涜だと思う。




