隠し部屋
シーズとプラリアを放置して、地下1階層を隅々まで、探索する。
「もう歩きたくない」と駄々をこねるゆいを背負って、マッピングしながら探索を続けると、如何にも怪しげな部分がマップ上に現れた。
マッパーさんなら、わかってたんじゃないのかな?
地下2階層への階段から地下迷宮の入り口の構造は変わらないが、その他の場所は一定期間で変わるのか。
そんな迷宮設定を思い出す。
「なぁ、ゆいの錬金で、隠し部屋を探したり、隠し扉の仕掛け解除したりできるか?」
「できるけど、めんどい」
「う〜ん、どうしたら、やってくれるかな?」
「誰か、誘拐してきて」
「なんで?」
「可愛い妹が欲しい」
「そっちの方が、めんどくないの?」
「……」
「……」
「……」
「わかった、わかりましたよ、でも、こっち先にやって、ここまで戻るのめんどい」
あっさりと隠し部屋の隠し扉が見つかり、あっさりと宝物をゲット。
「おーっ、HPと回避率が上がる腕輪だ」
付けてみると、ビジュアル的にもかっこよかった。
「なるほど、なるほど、HPカンストしても、アイテムでブースト可能だな」
はしゃぐ俺をゆいは「はよ、誘拐してこんかいっ!!」と言いたげな目で見ていた。
地下2階層まで戻ると、誘拐犯となるため、まずは可愛い妹となりえる素材を探す。
まずは、岩場に砦に行ってみよう!
遠くから観察すると、顔見知りが沢山生き残っているじゃないですか。
「お腹減ったな」とゆいは何処かへ行ってしまう。
自由だな〜。
目ぼしい女の子と、砦を出入りする者を確認して、今日は終わろう…。
一日中、観察して疲れた。
あれ? ゆいが戻ってきていない?
周囲を探すと、ゆいが焚き火をしている。
おいおい、こんな近くで焚き火とか、砦から丸見えじゃないですか?
いや、煙は出ていない。
どんな原理だ?




