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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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再出発

約束通り地下3階層を出て行き、現在、地下2階層の湿地帯エリアにいる。


「はじめて、ゆいと会った場所だね、っと、スーパークイックヒール」


「何で、ヒール?」


「拷問受けてたんでしょ? 体の傷とかだけでも治そうかと」


「思いやりがあるようでないな。そういうことは言わないでいいの」


「でも、傷痛むでしょ? ずっと我慢してたっぽいし」


「う…」と俺を睨む。


「で、これから、どうするの? へっぽこPKさん?」


「何も変わらないけど、いや、変わったかな。足枷のゆいがいる」


「ヒドッス…」


「そうだな…俺を殺すことができそうな。幼馴染、サーカス団団長、シンズキの三人をPKすれば、安心安全な生活が送れそうだけどね」


「できそうなの?」


「う〜ん、例えば、シンズキなんだけど。シンズキと同レベルのリーダー達なら良い戦いができるだろうね。現に他のギルドとパワーバランス的に成立してるからね。俺が特殊すぎて、歯が立たないのは自覚してるけど。幼馴染は、逆に俺に特化しすぎて面倒だし。殺るなら、サーカス団団長からかな?」


「だけど、こういうこと考え出すと、他のギルドと変わらないから、つまんねーってこと」


「うんっ!」


「適当に、行き当たりばったりで、いいんじゃね?」


「じゃ、何するの?」


「まずは、冒険だな、地下1階層から隅々まで見てみたくなったよ」


「迷宮の秘密を探るとか? つまんない…」


「そ、そうだな…、じゃ、探索しながら、おもしろPKのアイデアを思いついたら、PKする?」


「うんうん」


「うはっ、ゆい、狂ってるな。よしよし…」


子犬のように喜ぶゆいの頭をガシガシと撫でる。


ゆいには内緒だが、”ものまね”のレベルアップも、目的の1つなのだ。


シンズキに勝つためには、”ものまね”に賭けるしか無い?


そして、地下1階層で、ちょっと懐かしいメンバーと再開したり、しちゃうのだが。


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