血の同盟
森の隠れ家にいたためわからなかったが、地下3階層は湖を中心に街が形成されていた。
湖畔には、白を基調とした西洋風の建物が多く、まるで別世界のようだった。
街に近づくと、戦いとか無縁そうな同年代の子供たちが、ただ生活のために働いていた。
「街並みとか見ていると、本当にホームタウンって感じだな」
「人殺しの分際で、何をほっこりしてるのよ」
「辛辣だな…。なぁ、ここに来てから、通貨の概念がないんだけど?」
「まぁね。基本は、狩るか、奪うか、だからね。何か買いたいの?」
俺はある露店を指差した、そうクレープ屋さんですね。
「甘い食べ物、懐かしすぎる」
俺が、クレープ屋を眺めていると、警備兵数人が、声をかけてきた。
「すいませんが、某PKさんですよね」
「………。いいえ、違います」
「ウケル、真顔で言ってるっ!」
「こら、こら、勘違いされてしまうではないか」
「あの…ですね、うちのギルドマスターが、是非、会ってみたいと…」
「もしかして、完全にバレています?」
「はい、完全に」
「そうですか、先程、このパターンで、フルボッコされたばかりなんですよ」
「えっ!? 攻略不可能なPKさんをっ!?」
俺は、クレープ屋さんを指差した。
「なので、クレープおごってくれたら、静かにこの階層から出ていきますよ?」
「ク、クレープですか…、おごるのは良いですけど、会っては頂けない…ですよね」
「はい、フルボッコ恐怖症なので、それは無理ですね」
ゆいと二人で、クレープを食べる。
それを静かに見守る兵備兵さんたち。
「なんだか、それはそれは恐ろしいPKさんだと聞いていたので、正直、ほっとしましたよ」
「だよな、PKさんを迎えに行けとか、死刑宣告されたと同じだしな」
「うん、イメージ通りに行動した方がよかった?」
「いえいえ、このままで、お願いします」




