4 対6
敵の構成は、戦士、剣士、狩人、魔法使いの4人だ。
敵前衛、戦士と剣士が前に出るのに合わせて、ヤイルと剣士B(男)が迎え撃つ。
俺は、敵後衛が立つ位置に対して、”霧の目隠し”、”毒霧”を発動する。
発動が終わると、こっそり位置を数歩分、左へ移動しておく。
狩人に位置を覚えられていたら、危ないからね。
俺の大胆な行動に仲間は驚くが、 盗賊C(女)、フルエは、次の行動に出る。
盗賊C(女)は、霧から出てくる相手を攻撃するべく、姿勢を低くしダッシュ・アタックの態勢に。
フルエは、光の魔獣を召喚すると、毒など関係ないと言わんばかりに、霧の中へ特攻させる。
前衛の状況は、こちらが劣勢である。
「ヒーラ(女)、後衛は気にしないでいい。前衛にヒールメインで、余裕があればバフをかけて」と俺は指示する。
敵、戦士に遊ばれていたヤイルに、ヒールとバフをかけるヒーラー(女)。
俺がヒーラを狙うなら、今だ。
PKとしての美味しいタイミングはわかっている。
持続されている霧の中から、敵の狩人と魔法使いが出ていないのは、こちらの盗賊C(女)がダッシュ・アタックの態勢を維持していることで、証明されているだろう…多分、間違っていたら、ビンタしてやる。
俺は、”霧の冷却”を敵のがいるであろう霧のエリアにかける。
驚かせて、狙いを外させるのが目的だ。
ヒュンッっと、矢がヒーラー(女)の肩をかすめる。
狙い通り、ヒーラー(女)をターゲットにしていたか。
それに敵の魔法が全く発動していない。これはいい傾向だ。
「うわっ」と敵の魔法使いが、光の魔獣に右腕を噛まれて、霧から飛び出してくるが、同時に盗賊C(女)がダッシュ・アタックでとどめを刺した。
俺は、霧を解除する。
やはりこのタイミングで敵の狩人は、何処かに身を潜めたか。
盗賊C(女)に、剣士B(男)への援護を指示すると、敵狩人の位置を特定しようとするが、
高度な潜伏スキルなのか、全くわからない。
ヒーラー(女)とフルエを背後に木が来る位置に移動させ、光の盾を発動させる。
盗賊C(女)と剣士B(男)の同時攻撃にも耐える敵剣士。
ヤイルとヒーラー(女)の援護にも耐える敵戦士。
どちらかを早く倒さねば…。
狩人の出方次第では、形勢逆転されてしまうだろう。
毒の霧の効果は、狩人を蝕んでいれば、まだ救いはあるのだが…。




