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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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目覚め

”栄光の絆団”と呼ばれるギルドで割り当てられた自室で、ここまでの出来事を整理する。


前世での話。


小学生気分が抜け切らないまま公立中学校へ進学する。


中学校は、通学区域の関係で、俺の小学校から7割、別の小学校から5割の生徒が通う。


昼休み、スキンシップと称して一方的に幼馴染へ殴る蹴るを繰り返す俺に声がかかる。


「俺にもやらせろよ」


俺よりも、30cm以上高いであろう、身長170cmぐらいのガッチリ系な男であった。


誰であろうと俺は邪魔されるのが嫌いだ。


「あっち行けよ」


年上との付き合いもなく、兄弟もいない、ましてや第二次性徴期で体の発達した男子の力が大人に近づいているなど想像もしなかった。


相手は、カッとなったのか、胸ぐらを掴んでくる。


それを振り解こうとしたのだが、まったくびくともしない。


俺は、焦った。負ける、泣かされる、恥をかくと。


しかし偶然にも相手は、バランスを崩し倒れてしまう。


「ガマガエル野郎、何コケてんだよ」


完全なる強がりで、咄嗟に出たしょうもない悪口であった。


その言葉の何が、決定打となったかは不明だが、泣きながら俺に向かってくる。


そこに俺を可愛がってくれていた、同じ小学校出身のイケメン&ヤンキー&体育会系&元いじめっこの集団が教室に戻ってくるなり、間に割って入る。


「こいつに手ぇ出してんじゃね」


その一言で、その場は収まる。


なぜか、ガマガエル野郎という呼び名は定着する。


何日か経ち、俺は何気なく「ガマガエルに机はいらないよね」と冗談で言う。


すると元いじめっこは、ガマガエル野郎の机を、廊下に出してしまったではないかっ!?


その後も、「ガマガエルって給食なんて食べないよね」と言えば給食が消え、「ガマガエルって裸足だよね」と言えば上履きが消えた。


これには興奮した。胸がキュンとなるのだ。なんて楽しいのだろう。


決して、俺が命令している訳でもなく、俺が手を下しているわけでもない。


俺の心に敗北を植え付けたガマガエル野郎に、復讐を。


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