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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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潜入したけど

「……そうか、PKに襲撃を受けたか」


「突然、扉が開き、氷結魔法で…魔法使いなのに短剣も使っていました。私は、背中を蹴られただけのようです。なぜだかわかりませんが、急いで要塞の外へ逃げていったと思います」


「うん。現場の状況から見ても、証言と一致する。クラリスは、次の命令があるまで、部屋で休んでいなさい」


尋問室から出る。


尋問官は、フォールドという名だったな、メモメモ。


クラリスの部屋って、何処だよ…。


「ク、クラリス…。よかった…無事だったんだね」


うーん、親しい友人? 恋人? 不味いな、クラリスの事、ちゃんと聞くの忘れてた。


「う、うん…」


「あいつら…良いやつだったからな。ずっと一緒だったし」


「いつも一緒だったよね…」(多分…)


「あぁ…」


「あの…一人になりたくないんだけど、命令で待機なの…へ、部屋まで一緒に付いてきて」


どうだ? これで、案内役ゲットだ。


「あ、これから関しだけど…うん、そのぐらいなら」


よく見ると、イケメン、長身、性格よし、剣士っぽいな…でも、なんか、しっかりとまとまりすぎて、つまらないやつだな。


「あっ、部屋過ぎてるよ」


「あはっ…一緒にいるのが…緊張しちゃって…」


クラリスとの関係がわからないが、それとなく、いい感じに、しておこう。


「緊張って…まぁ、ちょっと休んだら、落ち着くと思うから」


イケメンは爽やかに去っていく。


クラリスの部屋に入ると…片付けのできない女かよっ!! 


8畳ぐらいの広さに、所狭しとゴミが積み上げられている。部屋が汚い、汚すぎる。


せっせと、掃除するが、一向に終わりが見えない。


くっそ、この世界に来てから、こんなに掃除したのは初めてだ。


ベッドの下に本がある。


なんて古典的な…と思い手に取るが、霧の魔法書なるものだった。


そうか、クラリスって魔女だもんな。

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