アサシン vs 飼育師
その後もアサシンは、プラリアに向けて、何度も暗器を投擲する。
回避行動など頭の片隅にもないプラリアだとしても、この薄暗い月明かりの下で、心臓を確実に貫くとは、恐ろしい命中率だなと思った。
心臓を貫かれた瞬間に、プラリアのHPが1とか2になってしまうのだが、そのタイミングでヒールをかける俺も、なかなかだろうと自画自賛中だ。
「くっ、な、なぜ死なんのだ?」
口調が変わってきたな、余裕が無くなったきた証拠だ。
しかしプラリアの痛み耐性も大概だな。
「ちょ、直接、このダガーで…」とアサシンが近づいてきたところに、絶対魅了を発動し動きを止める。
「あ、あれ?この状態は?」と突然、動きの止まったアサシンを見て驚くプラリア。
どんだけ、肝っ玉母さんなんだ?
アサシンに迫られてこの精神状態とは…。
俺はプラリアにそっと触れ、ステータスを確認する。
”戦闘時の恐怖無効”、”戦闘時の痛み無効”とある…なぜ、飼育師なのに。
「飼育スタートっ!!」
プラリアのスキルが、俺の絶対魅了に干渉し始める。
俺は絶対魅了を解除してみた。
「よし、お座りっ!!」
アサシンは、その場にお座りする。スキルが成功したらしい。
「石は、危ないから投げちゃ駄目よ」とお説教モードだ。
うーん、石じゃないんだけどね。
服破けているだろう? 貫通してるんだが…。
プラリアも普通じゃないな。
まっ、ちょっと強引だが、俺がヒールしていることは気が付いてないみたいだ。
俺みたいに転生者なのか、シーズみたいに…なのか、それ以外なのか…。
いや、違った。これはPLに近いものだろう。
と、気がつけば3名のペットが誕生している。
仲間の安否を確認しに来た魔術師と騎士も飼育に成功したのだ。
おかげで、絶対魅了の1日の利用回数を使い切ってしまった。
”てか、何人送り込んでるんだよ”とゆいに文句を言った。
”ふふふ。面白いことになってるわね。 一人よ? そいつらは、また別のギルドね”




