忍び寄る暗殺者
その夜、ギルド”フリーダム”のメンバーの一人が殺された。
内部の犯行なのか、外部の犯行なのか、重大な意味を持つ。
内部なら即分裂、外部なら強固な砦を突破するほどの手練ということ。
えつ!? 俺じゃないよ??
詳しい状況は、伝わってこないため、何とも言えないが。
シーズとプラリアは、ガクガクブルブルと震えて抱き合っている。
テントから出て、空を見上げる。
”ゆい、お前の仲間?”と尋ねてみる。
”ピンポーン、当たり〜”
”おいおい、お前の仲間じゃ、強すぎて、こっち全滅だぞ?”
”いや、全滅ってことないでしょう、君がいるし”
”俺は戦わないぞ、無能職者を貫くのだ”
”あー、誰か来ちゃった、またね〜”
う〜ん、最後に弱小メンバーで地下2階層の突破イベントしたかったな〜。
次々死んで逝く仲間の屍を乗り越え、やっと手に入れた地下3階層への鍵。
だが、最後は仲間(俺)に裏切られ、果たせぬ夢となる、みたいな。
「また、殺られたぞ、今度は”聖なる乙女”だっ!!」
「ぎゃぁぁぁっ!!」
「一人になるな、弱いもの、生産職は、砦内に入れっ!!」
「き、貴様っ!! よくも…」
「一旦、ギルド単位で固まれっ!!」
「ひっ、に、逃げっ、ぐわっ!!」
飛び交う怒号、聞こえる断末魔、楽しいことになっているな。
「シーズとプラリア、こっちへ来い。良いかよく聞け。今から砦まで夜の山道を下る。暗殺者が現れたら、俺が囮になる。その隙に、後ろを振り返らずに全力で砦内へ逃げろよ」
「で、でも…」とシーズは訴える。
「駄目だ、お前が殺られたら誰が、プラリアを守るんだ?」
「わ、わかった…」
さてさて、全く計画にない、おバカがやって来たため、俺の未来は全くの白紙となった。




