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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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噛み合わない歯車

「あっ、危ないわ。剣を忘れてしまっているの、取りに行こうよ」


ファーブは、帯剣してないことに気が付いたようだ。


ギルドに向かうと、巨大な何かがギルドから出てきたため、咄嗟に隠れる二人。


リザードマンを見たことがないであろうファーブでも、ギルドに何か重大な事件が起きたことは気が付いただろう。


「なに? み、みんな…」


建物の影から、心配そうなファーブを見ていると、こっちも心配になる。


うーん。全員リザードマンに始末されているか、ちょっと不安が残るな。


大量の血痕はあるが、死体を発見できないまま、工房で自分の剣を拾うファーブ。


何かに違和感を感じているのか、剣を見つめている。


「ねぇ。剣も持たずに、どうやって”栄光の絆団”から、ここまで来たの?」


「魔物たちに見つからないように移動ぐらいできないと、ここだとすぐに殺されちゃうよ」


「そ、そうよね…なんて、言うと思った!? 迷宮の入り口でも同じことがあったわ」


人面犬のときのことだろうか、でも、何に違和感を感じているのだろうか。


「あなたは、何者なのっ!?」


ファーブは剣を突き刺してくるが、俺は避けない。


僅かに皮膚を斬った程度だが、ファーブにも同じダメージが入る。


パニックになったファーブは、何度も何度も俺を斬りつけるが、自分にもダメージが蓄積されていく。


このままでは、ファーブが死んでしまう。


スーパークイックヒールを発動し、ファーブの傷を癒やす。


「もう気が済んだかい?」


「あ、あなたがギルドメンバーを殺したの?」


「うん。だって、嫌な奴だらけだったろう?」


「そ、そんなことはないわ」


ファーブは、外に走り出してしまう。


説得できる自信がない俺は、空を見上げる。


すると”もう無理よ”とゆいの声が聞こえた。


ファーブは、ギルドメンバーの仇を討とうとしたのだろうか?


無謀にも戦いを挑み、引き千切られバラバラにされたファーブの肉塊をリザードマンは食していた。


違う意味で、笑っちまったよ…。

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