恐怖
前田の組織がでかくなるに連れ、内外からの干渉も多くなる。
金をせびる幹部、顎で使う幹部、敵からも目を付けれられ、警察の監視も厳しくなった。
それだけなら良かったのだ、運命が俺たちを弄ぶのか?
話が何処で拗れたか知らないが、南の奴らを殺した犯人は前田の組織の構成員だと、根も葉もない噂が飛び交う。
「おい。只でさえ狙われているのに、こりゃ、まずくねーか?」
組織の誰かと会えば、自然とこの話題となった。組織の中でもこの問題は重要視される。
「だからと言って、俺達じゃないって、誰が信じる?」
荒々しく近くにあった机を蹴り飛ばし前田が言った。
「だがよ、俺らの組織は…13名だ。幹部の連中は、俺達なんて保護しないぞ?」
「そうだよ、南の連中は結束力が強い。20人、30人って、常に固まっている」
「大体、南の何処の組織の誰を殺ったかさえ知らねーんだぞ?」
組織のメンバーも口々に不満を言い出し、恐怖を乗り越えようとしている。
「ちっ、仕方がねーな。しばらく大人しくするか…」
特に対策を思いつかない前田は、ほとぼりが冷めるまで待機を指示した。
やったぞ、しばらく顔を腫らさなくてよくなったっ!!
嬉しくて一人笑ってしまうが、誰かに見られたら不味いと、急に冷静になる。
待機ってことは学校も行かない方がいいのかな? と勝手に三日ほどサボっていた。
恐ろしい内容がスマホに届いた。
<シンジが殺された。絶対に家から出るな>
はいっ!? リアルPKですかっ!?
出ろと言われても、こんな状況で出るわけがない。
ここまで来ると、もう駄目だろう…。 はい。転校ですっ!!!
パシャンッ!!
1階でガラスの割れる音がする。
勿論、見に行くわけがない。俺は、そっとクローゼットに隠れる。
ドカドカと数名の足音がする。
「探せっ!!」「捕まえろっ!!」「ヨシモトの仇は殺せっ!」
自分たちの叫びでより興奮しているのか、見つかったら…。
俺は震えた。半泣きどろこじゃない。こんな恐怖始めただった。
「駄目だ、逃げたか?」
「ここは上級国民様の地区だ、あまり長いはできねぇ」
「仕方ない。リストにある別の家に行くぞっ!!!」




