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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第二部 人間失格どころか辞めてしまった編
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2カ国共闘

北の王国ラズベル王と東の王国ジャクヂレン王が休戦協定を結ぶべく調印式を行う。


北の王国ラズベル王はまだ若く、逆に東の王国ジャクヂレン王は世代交代が囁かれていた。


歴史的快挙の調印式の後、2国の王は自分たちの判断が間違っていないことを知る。


「南の国は崩壊し、11月15日を持って、アリビリス王国が発足しました」


以前から2カ国がそれぞれ放っていた密偵の報告をすり合わせた結果、お互いの報告に差異がないことで一致していた。


まず軍事力は、一般市民との激闘の末、すべて消耗したと報告が上がる。


また三大都市も街としての機能は停止し、食料の備蓄も底をつき、疫病が蔓延し、治安どころか生きるために人が人を殺し食い散らかす状況だという。


夜紅血の王の姿は何処にも見えず何をしているのかさえも不明だ。


「何たることだ…崩壊して、30日でそこまでの状況になるのか…」


「国の拡大のためじゃない、アルマゲスト島の島民を救うために、夜紅血の王を討たねまなるまい」


「だが、強力無比な力は本物じゃぞ」


「召喚の儀を行いましょう。異世界から間を討ち滅ぼす勇者を召喚するのです」


「しかし…召喚には、多くの人柱が必要となりますぞ?」


「いや、このままでは、この2カ国さえも蹂躙されるでしょう。多少の犠牲など…」


「うむ、王の名の下に、召喚の儀を執り行おうぞ」


全責任を王自らが背負い込む覚悟。


召喚の儀には生娘が1000人以上必要とされる。


なかば強制的に人柱となる女性たちを集めたことで、国民から王国への不満が募る。


そして翌年の1月3日に厳戒態勢の中、北の王国ラズベル内にある神殿にて召喚の儀が行われた。


1000人の女性たちが、その若き生命を光の粒子に変換し、異世界の扉を開く。


異世界の扉は空中を浮遊しており、その扉を青白い人影がくぐり抜けた。


やがて青白い人影は、現実的なシルエットをまとう。


金色に輝く槍を手に、美しい女性が召喚されたのだ。


「お、お前の名は?」


ラズベル王が我慢しきれずに名を訪ねた。


「私の名は…さくら…」


さくらは焦った。地下10階層のヴァルキリーと交戦中だったはず。


ここは何処なのだろう? 私は死んだのか?


「お前は人類最後の希望、どうか…夜紅血の王を討ち滅ぼしてくれ…」


「は、はいっ!?」


とんでもないことに巻き込まれたことだけは理解したさくらであったが、まさかPKとの再会を果たすとは思いもよらなかったのだ。


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