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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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勧誘

目覚めたファーブは、ショートソードを突き立てて死んでいる人面犬に驚く。


「わ、わ、私が、こ、殺したの?」


俺はコクリと頷く。


ファーブを白黒の人形として見ていた俺に変化が訪れる。


深い赤の瞳。

瞳と同じ色のストレートロングヘア。

綺麗に透き通る心地よい声。

痩せこけているのに温かい手。


もっとファーブと一緒にいたい。

もっとファーブ話したい。

もっとファーブと…。


そのとき、またもや薄暗い迷宮の奥から、邪魔者たちが現れた。


「やったよ、迎えに来てくれたよ」と喜ぶファーブに対して、二人きりを邪魔され殺意をみなぎらせる俺。


説明を受けると、迎えに来た7名は、2つの別ギルドであること。


代表者がじゃんけんによって順番を決め、順に送り込まれた子供を勧誘していくこと。


「えっ!?ファーブと別れるの?」


俺は皆殺しを決意するが、ファーブに見られてしまったら意味がないのだ。


手詰まりに涙する俺。


ファーブは純粋に別れを悲しんでいるのかと勘違いし、俺を抱擁する。


そして俺は”栄光の絆団”に、ファーブは”ノンパドラックス”に引き取られた。


*****

**********

***************


見慣れた薄暗い通路を歩く。


この迷宮にこなれてきた様子の数名の男女と、怯えた子供たちが見えてきた。


ギルド”聖なる乙女”と”ノンパドラックス”だ。


その中に、ファーブを発見すると、向こうも俺に気がついたようだ。


「久しぶり…」と挨拶をしてくるファーブの肩を掴み、「馴れ合いは不要だ」と邪魔する男に、俺のリミッターは簡単に解除される。


アクティブスキル”ゾーン氷結”を発動する寸前で、冷静さを取り戻す。


危うくファーブまで殺してしまうところであった。


”栄光の絆団”の代表として俺が、女子は全員もらいたいと駄々をこねる”聖なる乙女”と、常時威圧的な”ノンパドラックス”と交渉をするが、結局はいつもとおりのじゃんけんとなる。


どうでもよかったが、”栄光の絆団”には、男女一人ずつ加入してもらった。


そして”ノンパドラックス”の皆さんには死んでもらうことが俺の中で決定されたのだ。



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