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孤独のPK、ほくそ笑む  作者: きっと小春
第一部 人間失格してますか?編
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血祭り

血祭り


ここは地下迷宮ラプラスの地下2階層目とでも言うのだろうか。


地下1階層は、誰もが想像できる石壁の迷宮であるが、地下2階層目は森林のステージだ。


俺は、一際大きい大樹の上から、4人の男女によるパーティを発見する。


転生者用特典の雷轟の弓を構えると、魔法の矢が召喚される。


本物の弓とは異なり雷轟の弓には弓弦はなく、形式的に弦を引く状態を取らざるを得ない。


雷轟の弓から放たれた魔法の矢は、雷の属性を帯びており、認識さえしていれば、目を瞑っていても命中するのである。


俺は、小柄の少年を狙う。


恐らくスカウト職であり、攻撃元を特定される可能性があるからだ。


放たれた矢は、少年の眉間を撃ち抜く。


ターゲットのパーティは、何事が起きたのかも把握できない素人集団だ。


次に俺は、魔法使いであろう少女を狙い、こちらも心臓をぶち抜くことに成功した。


パーティのヒーラーが、崩れ落ちる少女を抱き抱えヒールを唱える様子が目に映る。


あまりにも滑稽な姿に、笑いが止まらくなり、会話がしてみたくなった。


大樹から降り、にこやかな顔で「大丈夫?」と声を懸ける。


「大丈夫なわけないでしょ」と泣きながら睨まれる。


大柄の少年は、今更剣を抜き構える。


「お、お前は、だ、誰だっ!?」


「俺が犯人だよ」とニッコリ笑う。


大柄の少年は、僕の心臓に剣を突き刺すが、膨大なHPを持つ俺には、蚊に刺されたようなものだ。


だが、大柄の少年は、口から血を吐き出し倒れた。


「あぁ、パッシブスキルのリベンジフィールド、説明してなかったよね? 俺の防御力0の状態で、相手の攻撃は、クリティカルヒットになってダメージを受けるけど、攻撃者もまったく同じ威力のダメージを受けるから、注意してね? あっ、死んじゃってるよ」


回復ヒーラさんは、腰が抜けたのか、地べたを這いずり回るように逃げる。


僕は、大柄の少年が持っていた剣で、回復ヒーラさんを後ろから、何回も刺し続ける。


刺す度に絶叫するから煩かったな。


「6回で死亡か。うーん、普通だな」


その後、自分のギルドである”栄光の絆団”に戻り、自室で昼寝をする。


友人のマークスが部屋に来て、「また森林でプレイヤーキラーが出たみたいだ」と言ってきたので、

僕は、顔面蒼白の演技をする。


マークスは、そんな怯える俺を見て満足したのか、夕飯に行こうぜと誘ってくれる。


「ちょっと着替えるから、先に行っていて」と返事をし、ほくそ笑むのを我慢していた俺は、布団の中で大爆笑するのであった。

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