桜ひとひら 【春の詩企画】
「葉桜の季節」
桜なら来年もまた咲くよと
あなたは言う
けれど
来年もその木の下であなたが
私に微笑みかけてくれるかどうかは
わからない……
だからこそ
散りゆく薄い花びらを
見つめながら想うのは
幾たび季節が廻れども必ず桜が咲くように
いつもあなたの隣には私が在りますように
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「桜の森」
この季節になると
誰もが知らずしらず
斜め45度で空を見上げる
”桜の森の満開の下”
日本に生まれてきて良かったと
生きていきたくない本当は
私もそしてきっとどこかにいる
誰かも必ずそう思っている
この季節になると
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「桜の手紙」
制服の胸のボタンを下さい
そう告げたあの木の下が
教室の窓辺からよく見える
あなたはいないけど
金色に光るそのボタンは
私の掌の中にあって……
お元気ですか
桜吹雪が綺麗です
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「桜の樹の下で」
さいた さいた
桜が咲いた
おどれ おどれ
輪になって踊れ
春風に舞う花びらのように
薄桃色の空の下で
お読み頂きありがとうございます。
本作は「春の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2230859/(志茂塚ゆり活動報告)
志茂塚ゆり様、参加させて頂きありがとうございました。