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午前の授業を終え、只今お昼休憩中。
天気も良いことだしと、伯爵令嬢のミランダ嬢と子爵令嬢のミレーヌ嬢と、貴族ではないけどどこかの大きな商会の娘のマリーちゃんの四人で、中庭にある四阿でのんびりお茶してます。
最近はこの四人でいることが多い。
私も一応お嬢様だから、みんなのことを『様』付けで呼んでいる。
ミランダ様は真面目で融通が利かないところもあるけれど、教師たちからの信頼もあつい。
ミレーヌ様はとっても女子力が高くて、小さくて可愛らしい、男が放っておかないだろうタイプ。
でも男より女友達優先なちょっと残念な女の子。
マリー様は商人の娘だけあってか、情報収集はお手の物。
彼女が知らないことなどないのでは? というほどに色々なことを知っている。
ミランダ様もミレーヌ様も、庶民を蔑ろにされる方ではなく、寧ろそういった貴族を毛嫌いされていたりする。
馬が合う……って言ったらいいのか。
この四人でいるのはとても居心地が良いし、普通に楽しい。
テーブルの上には各自持ち寄った(使用人に待たせた)サンドイッチやらカナッペやら、簡単につまめる物が所狭しと並べられている。
それらをつまみ、使用人の淹れた紅茶を頂きながら、マリー様の最新情報をネタに、お上品に盛り上がる。
お嬢様は大口開けて笑ったりなど、『はしたないこと』は出来ない。
どこで誰が見ているかわからないのだから。
「あれは……」
ミレーヌ様の呟きに、ふと彼女の視線の先を追うと。
少し離れた渡り廊下を、私の婚約者であるライアン殿下と仲良さげに歩くヒロインの姿が見えた。
因みにヒロインは少し低めの背に、薄ピンクのふわふわとした緩いウェーブを描く髪に、少し垂れ気味のまん丸な目をした、男ならば守ってあげたいと思う(庇護欲をそそる)だろうタイプの女の子である。
客観的に見て、二人並ぶととってもお似合いだ。
多分ゲームの中のアビゲイルも、そう思ったに違いない。
だからこそ、焦ってくだらない嫌がらせをしまくったのではないか。
……なんて、今は私がアビゲイルなのよね。
皆が心配そうな視線を私に向けてくる。
婚約者が他の女と仲良さげに歩いてる姿を見て平気でいるのも、おかしな話だろう。
まぁ、平気だけど。
さて、どうしたもんかい。