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【書籍化&コミカライズ】悪役令嬢はオジサマに夢中です  作者: 翡翠
第六章 攻略キャラその④イザヤ・ラミレス登場
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 女子会翌日。


「舞台、ですか?」

「そう、今町で評判らしいんだが、どうだろう? 一緒に観にいかないかい?」


 いつものように四阿(あずまや)にてマリー様たち+ノア様とランチ中に、町で評判になっているらしい舞台へ、ノア様に誘われているところだったりする。


「ノア様、それはもしかして『(あやかし)』では御座いませんか?」


 マリー様が瞳をキラキラ(当社比2倍)させて食らいついている。


「ああ、その『妖』だよ。よく知っているね?」

「かなり評判の良い舞台らしく、チケットの入手が困難なのですわ。うちは商売をしておりますから、幾らかは入手可能ではありますが、優先的に御得意様へ回してしまいますから……」


 マリー様が物凄く残念そうな顔をしている。

 この舞台は前世で言う『宝塚』のように出演は全て女性だそうで、お客様は貴族や裕福な商人の奥様が中心なんだそう。

 まあ、興味がないと言ったら嘘になるけれど、ノア様と二人で(・・・)出掛けるということに抵抗が……。


「ノア様は(そんな大変な)チケットを入手出来ますの?」


 一応確認で聞いてみたらノア様にドヤ顔をされた。


「君は忘れているかもだけど、僕は隣国の王太子だからね? ボックス席の手配が可能なんだよ」


 ボックス席といえば、五〜六人ほど入れる個室で、王族や国の賓客席として使用されている。

 ならば、ここにいる皆で(・・・・・・・)参るとしましょうか。フフフ。


「まあ、素晴らしいですわ! 皆様と一緒に観たら、きっと楽しさは何倍にもなりますわね? とても楽しみですわ。ノア様、いつでしたらボックス席はお取り出来ますの?」


 無邪気を装って言ってみた。

 二人だけで舞台を観に行くなんて、恋人でもないし、なる予定でもないのに無理無理。

 でも、舞台には興味があるし、マリー様も観たがっているし……。

 ズルいのは承知で、ノア様がお断り出来ないようにもっていく私は、本当に性格が悪いと思う。

 心の中でノア様に謝罪した。


「じゃあ、皆は今度の週末の予定はどうかな?」


 ノア様は苦笑気味に皆様の予定を聞いてくれて、全員特に予定はないということで、週末に舞台を観に行くことが決定した。

 何だかんだと、ノア様は優しい方なのよね。

 私は彼のことを嫌いではなく、友人としては好き寄りだと思う。

 ただ、恋愛的な意味の好きではないのだ。

 だからこそ、早く(私以外の)良い方と巡り会われてくれたらと願うばかりだ。

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