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【書籍化&コミカライズ】悪役令嬢はオジサマに夢中です  作者: 翡翠
第五章 アビゲイル様の好きな人
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8

(マリー兄)ローガン目線です。

 ローガンは近衛騎士団第二部隊隊員である。

 平民出身だが、実家は割と大きな商会を経営しており、裕福だったりする。

 四人兄妹の長男で、今目の前にいるのは末っ子のマリー。

 男ばかりの中の唯一の女の子であり、尚且つ末っ子ということでかなり甘やかされて育ち、我儘に……ではなく。

 なぜか煮ても焼いても食えない、恐ろしいほどの腹黒鬼畜な妹に成長してしまったのである。

 見た目は可愛らしい容姿をしているのに、とっても残念だ。


「お兄様、お手紙ありがとうございました。さすがはお兄様ですわ。とってもお仕事が早くて助かります」


 このニッコリと可愛らしい笑顔に、どれだけの人間が騙されているか。

 まあ本人曰く、腹黒故に友人は少ないとのことだが。


「まあな。いつもお前に『情報は鮮度が命』だのと、色々言われているからな」

「うふふふふ。情報は大切ですのよ?」

「それも耳にタコが出来るほど(お前に)聞かされたから知ってるさ。で、今日の予定を変えてまで近衛騎士団宿舎(ここ)に来たのはあの手紙のことだろう?」


 俺の言葉に少し声を潜めて、我が妹ながら背筋の寒くなるような笑顔で言った。


「ええ、そろそろ近衛騎士団(ここ)も換気が必要なのではなくて? 空気・・がとっても淀んでおりますわよ? 特にお兄様の上(・・・・・)の空気が」


 ……あの二人、終わったな。

 俺がマリーに送った手紙とは。

 先日近衛騎士団(うち)の団長が、マリーの大切な友人を傷つける発言をしてしまったのだ。

 まあそれは不器用な団長が、その友人(名前だけの婚約者あり)と恋の噂が出始めたことで、これ以上自分との噂を広められては、彼女にとって良くないとの判断故に発してしまった言葉だったのだ。

 団長、色恋ごと以外は完璧なのに、本当、残念過ぎる……。

 まあ、それは置いといて。

 近衛騎士団(うち)にはお荷物と言われている奴らがいる。

 俺の上司である第二部隊隊長(某公爵次男)と、同副隊長(某侯爵三男)だ。

 この二人、出自はいいが家を継ぐわけではないので甘やかされて育ったボンボンだ。

 お陰で何も出来ないくせに口だけは達者ときたもんだ。

 実力など全くと言っていいほどない癖に、自分よりも上の役職にいる団長のことが面白くないようで。

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