表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】悪役令嬢はオジサマに夢中です  作者: 翡翠
第四章 攻略キャラその③レオン・スタンレー登場
38/103

8

「それにしてもアビゲイル様、随分と悪い虫が飛び交っておりますわね」


 ちょっ!? 思わず折角の美味しい紅茶を吹き出すかと思った。

 マリー様が実家から取り寄せたという珍しい紅茶とお菓子を届けに来てくれて、「よろしかったら」とお茶に誘ったのだ。

 早速頂いたお茶をミアに淹れてもらい、お菓子をテーブルに並べ、ミアが席を外した途端の先ほどの台詞だった。

 それにしてもマリー様、前々から思ってたけれど、かなりの毒舌さんよね?

 ……まあ、私は嫌いではない。

 というより、アッサリ、サッパリ、バッサリな彼女の性格は寧ろ好きだったりする。

 マリー様にかかれば、高スペックなはずの攻略キャラも『ばい菌』や『虫』扱いなのだ。

 とはいえ、一応他国の王太子殿下も一括りに虫扱いは、誰かの耳に入ったら大変なことになる。

 ミアのことは信用しているが、この世に『絶対』などないと思っている私。

 この世界では拷問や自白剤など、裏で平然と使用されていたりするのだ。

 犯罪者に人権などと唱える者はいないし、犯罪者でなくても欲しい情報を引き出すために使われることがあると聞く。

 とある裕福な貴族の屋敷の使用人が拐われ、屋敷内の情報を得るために拷問や自白剤を使用し、廃人同様となった使用人が見つかったなどという噂話も耳にしたことがある。

 出来る限り内々の話などは聞かせないことが、使用人のためにもなるのだ。


「マリー様? さすがに虫扱いは……」


 言いにくそうに苦笑を浮かべてそう言えば、マリー様はコロコロと笑った。


「あら、一緒にしては虫に失礼でしたわね」


 だからね、誰かに聞かれたらホント危険なんだってばぁぁぁあああっ!!


「アビゲイル様、そんなに心配されなくても大丈夫ですわ。内緒話を聞いているような人間がいないことは確認済みですの」

「確認て……あの、どうやって?」


 そんな素振りなかったと思うのだけど?

 マリー様は右手の人差し指を立てて口の前に持ってくると、妖艶な笑みを浮かべた。


「それはヒミツですわ」


 ……マリー様、あなた何者ですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ