表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】悪役令嬢はオジサマに夢中です  作者: 翡翠
第四章 攻略キャラその③レオン・スタンレー登場
33/103

3

 多分私の台詞は通じてはいないだろう。

 この人のルートでは確か、本当に信じて欲しい時に信じてもらえず、苦悩するシーンがあったはずだ。

 私の言ったことが今は理解出来なくても、後にたっぷりと苦悩するがいい。

 その時には「だから言いましたのに」って、残念そうな眼差しで言ってやるんだから!

 上半身をこちらに向け、ポカ~ンとしている子猫ちゃん男こと女誑しな先輩はそのまま放置した。

 当初職員室へ行く予定が、なんやかんやと時間がなくなってしまい……。

 ミランダ様たちはしきりに私の怪我を心配されて、


「これくらいであれば、寮に戻ってからミアに手当てしてもらいますわ」


 と言いくるめようとしたのだけれど、かなわず。

 マリー様の、


「お兄様方、よろしくお願いしますね」


 という一言で、ツインズとマリー様に医務室へ連れて行かれることとなった。

 無理矢理にでも連れて行かないと「大丈夫」だと無理して行かないだろうから、と。

 まあ、否定はしません。

 ミランダ様とミレーヌ様には先に教室へ移動してもらい、先生への説明をお願いした。

 全員でゾロゾロと医務室へ向かう必要はないし、ね?


「アビゲイル様、大丈夫ですか? 一体何があったのですか?」


 歩きながらマシュー様たちが心配そうな顔で聞いてきたので、先ほどの話を簡単にまとめて説明する。


「出会い頭にぶつかって倒れてしまい、その時に左腕を少しだけ痛めてしまいましたの。それであの方が、いきなりあんな風に私を抱き上げられて……。何度も下ろしてくださるようお願いしたのですが、聞いてくださらずに困っておりましたの。お二人が通り掛かってくださって、本当に助かりましたわ」


 マリー様はウンウンと大きく頷きながら、


「それにしても『仔猫ちゃん』って、あの方頭沸いてますの?」


『仔猫ちゃん』部分をモノマネしながら、しかもそれが結構特徴をとらえていて、我慢できずに吹き出してしまった。


「あいつはいつもあんな感じだぞ」


 ルーク様がしれっと言うものだから「ルーク様のお友達ですか?」と聞いたところ、なぜか二人(ツインズ)揃ってとても嫌そうな顔をして。


「「ただのクラスメイトです」」


 だそうで。

 確かに「仔猫ちゃん」なんていう友達なんて嫌だわ……。


「仔猫ちゃんなんて言われて喜ぶ女性なんておりますの?」


 マリー様の質問に、ルーク様は興味なさそうに答える。


「あんなんでも顔と出自は良いからな。擦り寄る女性が結構いるんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ