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「私達兄妹と参加致しましょう!!」
今日も良い天気のもと、四阿にていつものメンバーとランチ中、マリー様が半ば叫ぶように、若干鼻息を荒くしながらそう言った。
今学園の話題の中心はもちろんパーティーのことで、誰が誰と参加するとか、ドレスはどんなものにするのかなど。
どこへ行ってもその話ばかりで、表情には出さないが少しばかり辟易していたのは事実。
気心知れた方達と一緒で気が緩んだせいか、
「私は誰と参加したら良いのかしら……」
つい言ってしまい、先程のマリー様の叫びに繋がったのである。
因みにミランダ様とミレーヌ様は一緒に参加されるそうだ。
「マリー様は確か4人兄妹でいらっしゃいましたわね?」
ミレーヌ様の質問に、マリー様はハッとしたように恥ずかしそうに顔を赤らめながら、
「え、ええ。次男と三男は二卵性の双子で、この学園の一学年上におりますわ」
と答えると、次にミランダ様が質問されました。
「では長男様は何をされておられますの?」
「長男は少し年が離れていて、近衛騎士団に所属しております。兄妹皆仲が良いのですが、その中でも私は特にこの長男と仲が良いですわね」
騎士の中でも近衛騎士団はとても人気の職業で、余程のコネか実力がなければつけない花形職である。
マリー様のお家は、とても裕福な商会ではあるけれど貴族ではないので、きっと実力で勝ち取ったのだろう。
などとのんびり聞いていたが、何かが引っかかった気がする。はて?
「とても優秀なお兄様ですのね。では、双子のお兄様のどちらかが商会を継がれますの?」
ミレーヌ様の質問にマリーは楽しそうに続ける。
「う〜ん、どうでしょう? 二人共余り商会のことに興味はなさそうですけれど。まあ、長男曰く『お前が一番商人向き』だそうですわ。なかなかに忙しい兄なので、時々こちらから差し入れに伺いながら色々な話をして。また近いうちに伺おうと思っております」
兄妹仲良しなのは良いことですわね。
私も歳の離れた弟が可愛くて可愛くて。
って、あれ?
近衛騎士団? 近衛騎士団て……。
サミュエル・トレス様がいらっしゃる所じゃないですかっ!?
思わず。
「私も御一緒してよろしいかしら?」




