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竜騎士



ティナのまとっていた大きなオーラが色の濃いものへと変わった。


「ティナも魔法使えるじゃないか」

「これは魔法じゃない、気法きほうよ」

「気法?初めて聞くね」

「わが家系にしか伝わらない秘技だから知らなくて当然よ。先に行っておくけどこうなった私には絶対に勝てない。さあここからが本番よ!」

「いいね、盛り上がってきた!」


お互いにニヤリと笑った。どちらとも闘いを楽しんでる様だ。

観客席はというと、もう何が起きてるかさっぱり分からないため茫然としている者ばかりだ。

完全にこの闘技場の空気を二人だけが支配しきっている。

そして第二ラウンドが始まるであろうその時


ブオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


突如大きな鳴き声が会場内に響き渡った。


「な、何だ!?」


驚きの声をあげると、ルイは上空を見上げるのだった。


「ド、ドラゴン!?」


上空には直径15m程の赤色の中型ドラゴンが旋回していた。

大きな翼を大きく広げ気持ちよさそうに飛んでいる。


「急になんでドラゴンがこの闘技場に来たっていうんだ?ドラゴンの住むとこなんてもっと遠いとこのはずなのに」

「・・・何かあったのかしら」


ティナはそういうと人差し指と親指を口に加えてピーーーッと指笛を鳴らした。

すると何と上空のドラゴンが物凄い勢いで降りてくるではないか。

これには観客の人も


「逃げろ!ドラゴンが降りてくるぞ!」

「うわあ!食われるー!」


パニック状態だ。一瞬にして会場内は悲鳴の嵐となった。

そしてドラゴンはズゴオオオンと激しい音をたて会場の中心に降りた。

そのドラゴンにティナは歩み寄っていく。

近くに寄るとドラゴンは大きな眼をギョロっとさせながらティナに顔を近付けた。

会場の誰もがティナがドラゴンに食われてしまうと恐怖した。

だが想像とは全然違う事が起きた。


「ブオオオン」

「どうしたのレッド?あなたから急に来るなんて珍しいじゃない」


何とティナがドラゴンと会話を始めた。


「ウウウウウ」

「え?丘に?」

「ウオオオン」

「それであなたが・・・。長老はまだ生きてる?」

「ウオン」

「分かった。会場外で待機してるピノも連れてそっちへ行くわ」


ピーーッとティナがまた指笛を鳴らした。

するとまた上空に一匹のドラゴンが登場した。

こっちのドラゴンはレッドと呼ばれたドラゴンと比べると直径5m程で小さめだった。

ピーーンッと声を上げると会場の中心に降りてきた。

そしてティナは慣れた様でそのドラゴンの上に跨った。


「ごめんねルイ!急用ができて勝負はお預けになりそう」

「は!?なんか何がなんやらさっぱりなんだけど」

「ホントにごめんなさい、楽しい勝負だったのに。またどこかで続きをしましょう!」


ピノと呼ばれたドラゴンは翼をひろげた。


「絶対だぞティナ!」

「ルイこそ忘れないでね!私は竜騎士ティナ・カラーリズムよ!またいつかどこかで会える!」


するとティナは服のポケットから何やら石を取り出し、ルイに投げつけた。


「おっと、これは!?」

「持っておいて!またあなたの元に取りに来るから!それじゃあ!」

「またな!」


ティナは会話を終えると二匹のドラゴンと共に上空へと旅立っていった。


「あの子、竜騎士だったのか。竜騎士の時がティナの100%の力なのかな」


一人ポツンと取り残されてしまったルイはまたいつかティナと再選できるのを楽しみにワクワクした表情で会場を後にする。


「えーーーっとーー・・・両者引き分けーーーー!!!!!!」


「「「ワアアアアアアア!!!」」」


まだ残る会場の興奮を残したままにして。









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「・・・とまあこんな感じだったよマスター」

「それはそれは大変だったねえ」


ルイは闘技場の闘いを終え同じ宿に一泊した後、またあの酒場に来ていた。

また昨日と同じホットミルクを今度は火傷しない様にゆっくりすすっている。


「会えはしたけど結局あの場では仲間にできなかったよ。あーまた次の仲間探し始めないとなー」


ルイはカウンターに頭を当てながらうなだれている。


「ルイ君、実はね。君が昨日去った後に君の力になれたらと思って、ファイトネス付近で強い者がいないか探ってみたんだよ」

「!?ありがたい!でどうだった?」


マスターは紙に手書きでつづられた地図をひろげた。


「このファイトネスから南西にある紫苑しえんの森というのがあって、その中心に癒しの祭壇というのがあるらしいんだ。そこにまれにだが」

「そこに行けば強い奴に会えるんだな!?今すぐ行ってくる!」


ルイは地図をポケットにしまいカウンターにホットミルクの代金を置くとすぐに出口に向かってしまった。


「ルイ君話にはまだ続きが」

「ありがとな!マスター!また会いに来るよ!!」


そう言うとルイは酒場から出て行ってしまった。


「・・・行ってしまったか。相変わらず気が早い子だな、君そっくりだよ。メアリ・・・君の子なんだろ?」


マスターは写真を見上げる。


「ルイ君は無事に森を抜けれるかな、というかその前に大事なことを言いそびれてしまった」


マスターは代金を寄せながらつぶやく。


「強い人がいる訳じゃないんだよなあ・・・後でルイ君に怒られるかも。ん?」


代金を集めていると何かが一緒に混じっている事に気が付いた。


「ん、これは・・・飴?」



次の章は簡単なキャラ詳細となります。

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