表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/38

ティナ・カラーリズム



会場に一人の女性の大きな声が響き渡った。


「な、な、何でそうなるのよ!?」

「なんでも何もないけど?ただお前が欲しいだけ」

「だからっ!」


観客先の方ではいつの間にかヒューヒューなどの黄色い声が上がっている。


「も、もうそれで良いわ!こんな辱めもう耐えられない」


銀髪美女の顔は真っ赤っかだ。


「じゃあそろそろ始めるか!そういやそろそろお前の名前を教えてくれよ」

「ティナ。ティナ・カラーリズムよ。これからあなたを倒す人の名よ、よく覚えておきなさい。因みにさっきの蹴りは本気の半分も出していないわ。でもまあたいていのザコはあれで一撃なんだけど。あれをとめたのは褒めてあげる」

「女性が人間をザコとかそういう呼び方するもんじゃないぜ?」

「う、うるさいわね!始めるわよ!」


ティナはプンスカしている。


「それではあああ!!おそらく今日最後となるでしょう!!黒髪の青年ルイと銀髪の美女ティナのラストバトルを始めます!!!!!」

「「「ワアアアアア!!!」」」


会場が沸き上がった。


「では両者構えて!!」


ルイは青色の剣を片手に構え、ティナは大きな白色の槍を構えた。


「赤色の方の剣は使わないの?」

「ああこれ?これは普段使わないんだ。飾りみたいなものかな」


静寂がおとずれる。


「では始めますよ!レディィィィファイッッッ!!!!」


「てや!」


最初に仕掛けたのはティナだ。

強く踏み込んで大きな槍を体ごと真っすぐ一直線にルイの方へ飛び込んだ。

ルイはそれに対して大きくジャンプしティナの攻撃を避けた。そのまま飛び超えて反対側の壁まで走り出した。


「逃げるの?」


ティナは勢いよく突進したので態勢をすぐには戻せなかったが顔だけ後ろに向けて言った。

その間にルイは反対側の壁まで辿り着き、そのまま走った勢いで壁を走り始めた。


(おいおいあいつ壁を走ってるぞ!)

(とんでもねえ・・・)


ルイは走るスピードをどんどん上げていく。


「そんな事してたら自分のスタミナが減っていくだけよ。私はここから動かない」


ティナはフィールドの中心でじっとその場でルイを目で追っている。

しかしある異変に気が付いた。


「!?なんか見えずらくなっている?これは・・・砂!?」


まわりが砂ぼこりだらけになっている。

ルイは剣を地面に当てながら壁を走っていたのだ。

ルイの走るスピードもあってか一瞬で会場は砂だらけで見えなくなってしまった。


「くっ!卑怯な!」

「試合前から急に蹴りを食らわしてくるお前の方がよっぽど卑怯だろ」


ルイは走るのをやめ音をもらさない様に歩く。


「どこからくる?」


ティナは息を潜めルイの物音を聞き逃さないよう聞き耳をたてる。

すると遠くでブオンという音が微かにした。

そして背後から剣の切っ先が見えた。


「舐めないでちょうだい」


ティナは大きな槍でその剣を薙ぎ払った。

しかし


「!?剣に重みがない!?」


青色の剣はカランとその場に落ちた。


「囮!剣を投げたのね。ならあの赤色の剣で次はくるのかしら」


とまわりを見渡していると上空に気配を感じた。


「まさか」

「遅い!」


ゴッ!

腕で受け身をしたものの上から舞い降りてきたルイのかかと落としをもろに食らってしまった。

キレイに着地したルイは落とされた青い剣を拾った。


「お先一本」

「うっ」


ティナは受け身をとった左腕を右手で抑え痛みをこらえている。


「ならこっちも仕掛けてやるんだから。ちょっと本気だすわよ」


そういうと目つきが変わり、はじめとは違う構えをとった。

するとその場から急にティナが消えた。


「はやい!」


ルイは慌てて構えると何とかティナの槍の攻撃を剣でふさいだが


「・・・・!なんつーばか力!」


そのまま槍の重みに耐えきれず壁まで吹っ飛ばされてしまった。

壁に大きなヒビが入った。相当な威力だったのだろう。

ルイはダメージを負った。


「スピードもパワーも桁違いだ。やっぱり俺が見込んだだけの事はある」


だがまだまだ元気だった。


「じゃあ俺もそろそろ」


というと剣を背中に戻してしまった。


「どういうつもり」

「ん?そろそろ本職見せようかと思って」

「本職?あなた剣士じゃないの?」

「違う」


ルイはそう言うと右手の人差し指をたてた。

するとそこからボオッと人並みに大きな炎が燃え上った。



「俺は魔導士だ」



「魔導士?」

「おう、魔法を主力とする魔導士だ!まあでも魔法を単体でうつのが普通の魔導士で、そういった闘いをした方が俺自身も強いんだろうだけど俺魔法そんなに好きじゃないから好んで使わないんだ。だから」


ルイは燃え上がった炎をお手玉ぐらいの大きさに収縮するとそれを握ったままそのまま青色の剣をとった。

すると刃が真っ赤に燃え上がった炎剣が出来上がった。


「魔法を剣に封じ込める魔法剣。これが俺のメインの闘い方だ」

「ちょっと待って!あなた詠唱・・・してないわよね?」

「?してないけど」

「詠唱無しで魔法なんてできるの!?」

「魔導を極めしものなら誰だってできるぜきっと」


・・・そんな事はない。

魔法は基本的に詠唱をする事でまわりのマナの力を引き寄せそれを形に変えて放出するという原理だ。

つまりルイのやっている事は数学で例えるなら計算式なしで答えを導いている事になる。テストなら×になるパターンのやつだ。

そんな芸当ができる人なんてそうそういないだろう。

天才の一種である。


「ふ、ふふふ」

「ん?何?」

「ふふふ!ははは!そんなの・・・反則じゃない!何よそれ!」


初めてティナが笑った。

ルイは内心

(笑ってる顔メチャメチャカワイイな・・・)

と戦闘中なのに思ってしまった。


「反則じゃない、実力だ」

「ふふふ、ごめんなさい。こんな強い人と今から戦えるんだって思ったら喜びもあって思わず笑っちゃった」

「て事でそろそろ本気の本気できた方が良いと思うぜ」

「そうね・・・なら80パーセントで行くわ!」

「まだ本気ださないのか?」

「ここじゃだせないのよ」


そう言うとティナのまわりに赤いオーラみたいなのがまとわりついた。





「すぐ終わらせてあげる!バーサーク!」

「!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ