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超武闘大会




「はあ~つまんね~全然でてこないじゃ~~~ん」



ルイは闘技場で超武闘大会を見物していた。

昨日の酒場の後からルイは料金、部屋の広さ等ごく普通の宿をすぐに見つけ晩飯等を全て済まし、ベッドに入るとすぐに就寝してしまった。長い船旅の後だったので仕方ないだろう。早く就寝してしまった分ルイは朝5時にはもう目が覚めてしまった。

船旅で身体を動かしていなかった分を取り戻そうと朝からランニングを3時間ほどし、シャワーを済ませ闘技場に向かった。

超武闘大会が始まってから約5時間がたった。銀髪美女は見当たらない。



「大体全体的にレベルが低いと思うんだよなあ。ここをこうしてああしてやれば!」



ルイは観客先で一人シャドーボクシングの様な動きをしている。

真後ろの席で女の子が指差しながら笑っているのにルイは気付いていない。


「ってかもう今やってるのって多分決勝ぐらいだよな・・・。これはもう諦めた方がよさそうだ。

あ~時間ムダにしたな。決勝だけ見終わったら宿戻るか」




「ハアアアアアアア!!!!」

「テエエエイ!!!」


決勝に残った二人が剣と剣で争っている。

しかしテエエエイ!の方が剣を振りかぶった瞬間に思いっきり隙を作ってしまい、ハアアアアアアア!!!!の方がその隙を見逃さず、テエエエイ!を倒した。




「決まりましたあああ!!!!優勝は南国の騎士!ブルジョワさんです!」

「ハアアアアアアア!!」


「ハアしか言わないじゃん」



実況が優勝者の発表をすると会場から歓声が沸き上がった。


「「「ワアアアアアアアアア!!!」」」


「・・・なんだこれ」


歓声に対し、ルイは一人あきれていた。

あきれすぎて欠伸がとまらない。



「もういいや。帰って寝よう。そして明日の朝一にすぐに別の町か都市に行くか」



ルイは身支度をして席から立ち上がり出口へ向かった。

しかし席に飴を置き忘れた事を思い出し、ルイは出口近くからまた自分の席へ引き返した。

歓声はまだ起きている。

席に戻り飴を持ち上げた瞬間だった。



「待ちなさい!!私と勝負しなさい!!!!」

「!?」




突如闘技場の中心付近で響きわたる女性の声。

そしてサラサラの腰まで伸びた銀髪。

間違いない・・・



「・・・・あの子だっ・・・・!」




ルイは銀髪美女を確認するとひとまず席に着いた。


「まずは様子見っと」




「アナタダレ?」

「あなたより強い挑戦者よ」


「おおおおおおっと!!!!WARNIG!WARNING!突如挑戦者乱入!!!!」


「決勝までの試合を全部見てたわ。・・・ほんとレベル低すぎ」

「ナンデスカアナタハ!」

「もういいから試合をしましょう」

「・・・イイデショウ!コテンパンにシマス!」



双方が武器を構え始めた。

ブルジョワは片手剣を構えた。

銀髪美女は背中にあった白色を主にキレイに飾られた槍、・・あるいはトライデントと言った方が見た目はしっくりくるかもしれない。その身体とはサイズの合わない大きな槍を軽々しく前へ構えた。



「急展開ですがあああ!!!!乱入バトルを開始したいと思います!!!!!!」

「「「ワアアアアアアア!!!」」」


観客席でまた歓声が起きた。



「それでは開始しますよ!」


双方がチャキッと腰を据えた。



「レディイイイ!!・・・・・ファイイイイイ!!!!」



始まったと同時にブルジョワは銀髪美女へ走って向かっていく。

しかし銀髪美女は大きな槍をまた背中へ戻してしまった。

そして深く呼吸をした。

また息を大きく吸い込み終わったその瞬間




ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!




・・・何が起きたのだろうか。

会場は大きな音が終わったと同時にシーーーンと静まり返っている。

観客席の客はほぼみなが何が起きたか見えていなかった。

しかし、ルイはその一部始終をすべて確認できていた。


「わーお、これは・・・・・おっかない」


会場を見渡すとブルジョワがどこにもいない。

客はみんなどこだどこだと探しているがなかなか見つからない。

ようやく客の一人が見つけたのだった。


「上!上だ!」


恐る恐る上を見上げると闘技場の風よけとなっている周りの囲いの上の方にヒビがクモの巣の様に大きく入っている。

その中心には(故)ブルジョワが頭だけ突き刺さった状態で発見された。



「大丈夫、ギリギリ死なないようにぶっ飛ばしたから。・・・実況さん?勝者は?」


「え!!?あ・・・えっと・・・・・」


実況も困惑気味だ。



「・・・・勝者!!!!!謎の銀髪美女ーーーーーー!!!!」


「「「ワアアアアアアアアアアアア!!」」」


会場にブルジョワ優勝の時よりはるか大きな声で歓声が起きた。

誰がこんな結果を予測できただろうか。

銀髪美女は笑顔で客先に向かって手を振っている。

歓声はしばらくの間鳴りやみそうにない。






「ちょっと待ったあああ!!!」




一人大声を上げる男がいた。




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